2011初笑い2011/01/22 21:59

池袋演芸場にて
池袋演芸場にて posted by (C)Yongyi

今日は今年初めて落語を聴く日。昨年末に黒門亭へ行った時にもらった池袋演芸場のチラシの中に、「落語協会特選会 市馬・菊之丞二人会」とあり、お気に入りの噺家さんが揃って出るんじゃ、こりゃ是非行かないとと思い、早速前売り券を購入して今日を迎えました。

池袋演芸場で落語を聴くのは、一昨年の夏の小三治師以来です。

全席自由席なので、早く行って良い席を確保しようとも思いましたが、冬の夕方は寒くて並ぶのは辛いので、1時間前でちょうど良いかな?と思いながら現場へ行ってみると、既に20数人が列を作っていました。

開場30分ぐらい前には列がかなり延びて、演芸場の方の判断で少し早めに開場し、中へと案内されました。幸い前から2列目のほぼ真ん中辺りに座れたので、早速持ってきたおにぎりで腹ごしらえ。

18:00開演に開演。開口一番は誰かなと前方を注視していたら、私が密かに成長を期待している女流落語家の「三遊亭歌る美」さん。メクリを観た瞬間に思わず「オッ!」と声が出てしまいました。

昨年高座で見た時は、鬱陶しいくらい前髪を伸ばしていましたが、今日はバッサリ前髪を切って、ずいぶんボーイッシュな感じになっていました。逆にちょっとボサボサ髪の感じで、あんまり髪型には頓着しない人なのかな?女の子としてはどうなのヨ?とも思いましたが。

演目は「たらちね」。さすがに嫁いできたお嫁さんの仕草や声は女性ならではのものがあります。話っぷりも初めて高座に接した時よりもだいぶ余裕が感じられました。

続いては市馬師の登場。昨年末に落語協会副会長に大抜擢された(一説には108人抜きとか)からだけではないでしょうが、更に一層貫禄がついた感じで、見ているだけでも安定感があります。

先代小さん師匠の話から、孫の花緑が小さい頃にお守りをしたと言う思い出話になり、子供の話題に移って噺は「雛鍔」。

続いて市馬師から「ウチの若旦那」と紹介されていた菊之丞師の登場。菊之丞師の高座に接するのは、ちょうど一年前の黒門亭以来です。

学生時代の池袋演芸場の思い出話で、客席には1人(菊之丞少年)しかいなくて、噺家さんと1:1で対峙していたと言う話から、同じ1:1でお客様に接する幇間の話になり、幇間が主人公の「愛宕山」へ。

とにかく菊之丞師の熱演ぶりが伝わってくる良い高座でした。特に終盤、谷底から旦那のいる上に登ろうと必死にもがく様子は、見ているこちらも疲れてしまうくらいです。(ご本人曰くこの日の力の97%は「愛宕山」で出し切ったそうです)

仲入り後は、続けて菊之丞師の登場。たった15分程度の休憩で、しかも「愛宕山」の疲れが残っている(とご本人も話していたw)のに、本当にプロの噺家さんは凄いなと思いました。残り3%の力で「棒鱈」を、こちらも熱演。田舎侍の描写がなんとも可笑しかったです。

トリの高座にはお茶が出され、出囃子が「三下がり中の舞」になり、市馬師の登場。マクラで歌舞伎と落語の比較などを話してから「淀五郎」へ。もぅ私みたいな素人がとやかく言うことはございません。約40分たっぷり楽しませていただきました。

初笑いからお気に入りの噺家さん(もちろん前座さんも含めて)の噺を聴けて、今年も良い年でありますようにと思いながら、帰宅の途に着きました。

落語協会特選会 市馬・菊之丞二人会

−開口一番−
 三遊亭 歌る美 「たらちね」

 柳亭 市馬 「雛鍔」
 古今亭 菊之丞 「愛宕山」
−仲入り−
 古今亭 菊之丞 「棒鱈」
 柳亭 市馬 「淀五郎」