北京ひとり旅(最終日) ― 2010/07/09 22:25
北京旅行も最終日を迎え、前日の天気予報では雨が降ると報じていましたが、朝起きると朝日が昇っているのが見えたので、旅行社が迎えに来るまでの約3時間を使って、近くの景山公園と北海公園へ写真を撮りに出かけました。
景山公園は何と言っても頂上の万春亭から見る故宮が感動的です。もう少し空気が澄んでいて、朝日が射していれば申し分ないのですが、まぁひょっこり訪ねてそうそう好条件が揃うわけはないですな。
万春亭でしばらく故宮を眺めて麓に降りたところ、大勢の人々が太極拳をやっていました。上海の外灘の朝にも太極拳の撮影に挑戦していますが、ゆったりとした動きで撮影し易いかと思いきや、結構意外な動きをするため、ポーズが決まってもシャッターを押すタイミングを逃してしまい、納得のゆく写真が撮りづらい被写体の一つです。
続いて隣の北海公園へ行き、5年前は改修工事で近づくことが出来なかった、白塔を見物しました。
早朝から北海公園周辺の店(特に革靴や衣服を扱う店)には多くの(おそらく地方からの観光客)が押し寄せていたり、北海の池の周りには、やはり太極拳をやっている人や散策する人など、思い思いに過ごしている人がいましたが、彼らの中でも私が気に入っているのは、水を含んだ大きな筆で、敷石に(おそらく漢詩の一部と思われます)字を書いている人です。とにかく驚くほどの達筆なおじいさんがいて、書き終わると周囲の見物人から拍手を貰っていました。
北海公園は先日の圓明園と同様に、蓮の花が満開で、多くのアマチュアカメラマンが高級一眼レフで写真を撮影していました。
散策しているうち9時を過ぎたので、タクシーを拾ってホテルに戻り、荷物の最終チェック。10時にチェックアウトの手続き。予定通り10時15分に旅行社が迎えに来て、北京首都国際机場(飛行場)へと向かいました。
車中で現地添乗員が「どこへ行きましたか?」と訪ねるので、「司馬台長城へ行ったら工事中だった」と話したら、「私は司馬台には行ったことがない。ほとんどの観光客は八達嶺に行きます」と言うので、よほど私は現地の観光業者も行かないような、マイナーな観光地を選んだ(しかも辿り着けなかったと言うオマケ付き)のでしょう。
北京首都国際机場は、オリンピックを契機に飛行場の規模がそれまでの数倍に広がったため、高速道路の料金所を過ぎてからはどこをどう走っているのか分からなくなる程引き回され、ホテルからちょうど1時間で空港に到着。
チェックインカウンターで荷物を預けたところで添乗員と別れ、出国手続き等を済ませて搭乗口へ移動。ちょうど12時になったので、昼食をと思い食事場所を探しましたが、巨大な空港の一番端のため大した食事施設がなく、やっと見つけた軽食堂も、三明治(サンドイッチ)ごときで結構いい値段がするため、手持ちの人民元が足りなくて、慌てて日本円で支払う羽目になりました。
食後搭乗口へ戻り、Z老師へ先日の食事のお礼とお別れの電話をかけたりしているうちに、搭乗手続きの時間となり、バスで飛行機のそばまで移動しました。
我々の飛行機の隣には、懐かしい北京オリンピックのマスコットが描かれた飛行機が出発準備をしていました。
帰りの飛行機は、ボーイング737と言う初めて乗る小型機。3列シート+3列シートで機内の狭さにはビックリです。ほぼ予定時刻の13:30に出発。
機内サービスが始まり、中国語でコーヒーを注文したところ、隣に座っていた若い中国人がすかさず「あなたは何人か?」と話しかけてきて、「日本人だ」と答えると、「私たち(夫婦)は、団体旅行で東京と北海道へ行く」と話してきました。
近年公開の中国映画に、北海道が舞台の作品があって、ロケ地巡りで中国人観光客が大勢北海道に訪れている、と言うニュースを聞いたり、また先日のZ老師との会話にも、やはりこの映画の話題が出てきましたが、まさか実際のツアー客に遭遇するとは思いませんでした。
その後は中国語であれこれ会話が始まりましたが、方言なのか普通話の発音と違って聞き取りづらいので、メモを取り出して筆談をしながらの会話です。今回の旅行で最も中国語を使用したのは、皮肉にも帰国の際のこの時だったと思います。
相手の中国人夫婦は四川省成都市から来たとのことから、こちらからも当初計画していた九寨溝・黄龍のことを訪ねてみたところ、この時期は雨が多くてダメだそうで、10月が良いから機会があればぜひ行ってみろと勧められました。
そうこうしているうちに、日本時間18:10に成田に到着。隣り合わせた中国人夫婦へ、お決まりの文句「祝你们旅途愉快,一路平安(楽しい旅行を、道中ご無事で)」と声を掛け、握手をして分かれました。
飛行機から降りて早速実家に帰国した旨の電話をかけ、入国審査等々の手続きを経て、京成電車・JRと乗り継ぎ21時過ぎアパートに到着。5日間の北京旅行は慌しくも無事終了しました。
北京ひとり旅(4日目) ― 2010/07/08 00:15
昨日の歩き疲れが相当影響したのか、目覚ましが鳴ったのにも気が付かず、起きたのは8時半。朝食にありつけないと大変と、慌てて支度をして腹ごしらえ。
食後部屋に戻って今日の行動計画を確認。今日は北京の中心部の観光地をチョコっと巡って、帰国前に王府井でお土産の買出しをすることにしました。
まずは、一昨日のZ老師に薦められた「南新倉文化休閑街」を歩いてみようと、地下鉄2号線の東四十条駅で降りてみたところ、何のことはない2年前に家族で訪ねた北京ダックのお店「大薫」がある場所でした。
あらためてザッと歩きまわって見ましたが、開店前の飲食店があるばかりで、大して面白くないので、早々と去って次に「雍和宮」を見学することにしました。
ガイドブックによると、北京最大のチベット仏教寺院とか。寺院の周辺には線香を売る店などが多数並んでいたり、独特の衣装(袈裟?)を纏った僧侶も見かけました。
チケットを購入すると、普通の参観券と一緒に小さいCDが付いていました。多分寺院の謂れが吹き込まれていると思われます。何が聞けるかは帰国してからのお楽しみです。
中に入ってみますと、日本のお寺のように線香を香炉(?)にくべて、出てくる煙を身体に浴びるような光景はなく、膝まづいて無心に祈祷をする人々の姿が見られ、一種荘厳な雰囲気が漂ってきました。
小一時間ほど参観して、次に胡同を撮影するため、鼓楼大街駅へ移動。ところが再開発事業か何かで、一部の区域は建物がすっかり壊され更地になっていました。
しばらく歩いて、ようやくそれらしい風景の胡同があったので、内部に進んでみましたが、最近は細い路地にも車が駐車していて、胡同のイメージとはかけ離れていて、今ひとつ納得出来る写真が撮影出来ません。
そのうち行き止まりの路地に迷い込んだりして、しばらく胡同の中を歩きまわり、地元の人に尋ねながら鐘楼の前に出たので、内部を見学しました。見学後、鼓楼のすぐ東側にあるワンタンのお店で昼食。
食後は什刹海を経て北海公園の北口でタクシーを拾い、昨日に引き続き前門へ向かい、北京市の歴史や現代・未来の都市計画を紹介する「北京市計画展覧館」を見学しました
何年か前にある雑誌で、この施設を紹介する記事を読んで、中でも1/750の北京市の模型は一度見てみたいと思っていながら、2年前は時間の関係で訪問できなかったので、ようやくその望みが叶いました。
今後も更に発展を続ける北京市の計画が紹介されていて、数年後に再訪してまた体験してみたいと思う反面、今回のような長期休暇を使い、気ままなひとり旅をする機会は多分二度とないだろうなと思い、なんとなく感傷的な気分になりながら、展示物を眺めていました。
昨日と同じように歩いて王府井に戻り、会社や家族・S老師への土産を買うため、沿道のみやげ物屋(食品市場)に入り、菓子やお茶を購入。自分への土産は、また「積ん読」になることが分かっていながらも、陳凱歌の若い頃の自伝本と、飲んだあと小瓶だけでも絵になる紅星二鍋頭酒(白酒)を購入しました。
ホテルに戻り、帰国の準備をはじめて7時に昨日と同じ新東安市場6階のお好み食堂で夕食。(昨日50元のプリペイドカードを購入したので、使わなければ勿体無いのと、押金(内金)を返えしてもらうためです)
お好み食堂の中に、炸醤面を提供するお店があったのに気がついて、試しに頼んでみました。特にこれといった特徴はありませんでしたが、流石に日本のように黄色い中華麺を使って「北京風」などと言った、中途半端なことはしていません。(当たり前か)
帰りにホテルで飲むビールのツマミにと、章魚小丸子(タコ焼き)を買って、それを食べながらこの文章を書いています。
北京ひとり旅(3日目) ― 2010/07/07 01:02
北京3日目の今日は曇り空。今日は北京市の少し外側の観光スポットを歩いてみることにしました。
現地時間8時少し過ぎにホテルを出発。一昨日41℃、昨日39℃の天気が続いていたので、今朝はかなり涼しく感じました。(実際今朝の気温は27℃程度、日中の最高気温も30℃でした)
地下鉄5号線の灯市口駅から、10号線・8号線を乗り継いで、9時ちょうどにオリンピックスタジアムの最寄り駅:奥林匹克中心駅に到着。
2年前の冬に訪れたときは、工事現場の塀の隙間から覗くしかありませんでしたが、今日は入場券(50元)を払って場内に入りました。
北京オリンピック開会式等の中継映像では、フィールドや客席が無数の人々で埋め尽くされていたためでしょうか、相当巨大な施設をイメージしていましたが、空席ばかりの客席や何も行っていないフィールドを見て、意外に小さく感じました。
それよりも面白かったのは、会場内にある歴代オリンピック委員会会長の蝋人形館。中でも一番人気だったのが、北京でのオリンピック開催を決定した時のサマランチ会長で、見学者の中には25元を支払い、蝋人形の隣に用意された椅子に腰掛けて記念撮影をしている人もいました。
隣の記念品コーナーには、オリンピックやスタジアムに関連したグッズが陳列されていました。お菓子類でもあれば、会社への土産(ばら撒き菓子)に良いなと思ったのですが、残念ながら食品類は扱っていませんでした。
約1時間ほどぶらぶら歩いて、地下鉄8号線:奥林匹克公園駅から、10号線・4号線を乗り継いで次の目的地「圓明園」へ行きました。
以前立川の中国語教室でお世話になったS老師や、昨日のZ老師もぜひ一度見物してみろと言われて出かけた次第です。ちょうど蓮の花が咲いていて多くのアマチュアカメラマンが撮影をしていたり、蓮にちなんだ絵画の展覧会が開かれていたりしていました。とにかく広い庭園で、歩き疲れて途中から遊覧車に乗っては園内を移動しました。
西洋楼遺址区は、アヘン戦争の際に外国勢に壊された廃墟が中心ですが、修復された「黄花陣」と呼ばれる迷宮は、巨大迷路状の構造で多くの観光客で賑わっていました。
またこの「黄花陣」の前には、「福」の漢字を来場者に書いてもらい、その数をギネスブックに申請するイベントが行われていて、巨大な巻き紙に数多くの「福」の字が書かれていました。(私は字が下手なので遠慮しました)
1時間半ほど園内を見物して地下鉄の駅に戻り、昼食のため国家図書館駅で下車。ここから南に歩いて、増光路にある「海碗居總店」でお約束の「炸醤面」を食することに。
いざお店の前まで来てみると、多くの工事関係者が昼休みをしているので、もしかしたらお店の改修工事で休みかと一瞬不安になりましたが、歩道の工事をしている最中で、お店の入り口には「正常営業」と張り紙がしてありました。
元気のよい店員さんに案内されて店内に入ると、13時を過ぎているのである程度空いているかと思ったら、満員のお客さんで賑わってビックリ。
注文はもちろん「炸醤面」(16元:240円先払い)味はやはり肉味噌がちょっと塩辛く感じましたが、美味しいことには変わりありません。
満足して店の外へ出て、地下鉄2号線阜成門駅までタクシーで移動。地下鉄に乗って和平門駅で下車。印章を作ってもらうため、5年前にも訪ねたことのある瑠璃廠の栄宝斎へ行きました。
印章を注文してから出来上がるまでの間、瑠璃廠の街中をぶらぶらしていたところ、一軒の骨董屋から片言の日本語で話しかけられ、ちょっと反応したところ、すかさず「これはどうだあれはどうだ」と執拗に骨董品を薦められ、結局安い毛沢東グッズで勘弁してもらいました。
こんな時「随便看看(見てるだけ)」の言葉がとっさに思い出せなかったのが未だに悔やまれますが、相手もなんとか日本人観光客を捕まえようと、必死に日本語を勉強しています。押し売りからは逃れることが出来たのですが、その後日本語をいろいろ教えてくれと、店主のおばさんからせがまれて、30分くらい日本語を教える羽目になりました。(まぁ一緒にいた娘さんが可愛かったので良しとしましょう←何だそりゃ)
再び栄宝斎に戻り、完成したばかりの印章を受け取って、次の目的地の前門まで、胡同の中を写真を撮りながら歩いて行きました。途中結構欧米人観光客が同じように写真を撮影しながら歩いているのを見かけましたが、欧米人にも胡同のようなゴミゴミした所が興味あるのでしょうか?
前門に出て、やはりここは老舎茶館で演芸を見たいと思い、空席状況を訪ねたところ、最後列しか空いていないとの回答。これは仕方がないとしても驚いたのが、最後列で1人180元と言っていたこと。
2年前の冬に家族で観劇した時は、前から3列目で1人120元でしたが、現在300元に値上がりしています。流石に観劇は諦めて、改修後の前門地区を散策しました。
それにしても、前門大街を1人でぶらぶら歩いていると、タカリの中国人が何人も声をかけてくるのには閉口しました。(声を掛けられる度に「中国語は聞いても分かりません」と中国語で答えているのも変な話ですが)
その後天安門広場・王府井大街を経て夕方5時半頃ホテルに戻りました。流石に歩き疲れたので、しばらく横になって休んだ後、夕飯を食べに外に出て、近くの新東安市場6階の、お好み食堂のようなところでお手軽に済ませました。
明日は、ホテルから近い場所を散策する計画ですが、天気がちょっと心配です。
北京ひとり旅(2日目) ― 2010/07/06 08:49
現地時間4:20(日本時間5:20)起床。カーテンを開けると日の出直前。明日もう少し早く起ることができたら、天安門広場で毎朝行われている国旗掲揚式でも見にゆこうかな。
6時に朝食。長城を歩いて体力を消費することを想定して、少々多めに食べ、6時半にカメラを担いでホテルを出ました。
ホテルの車寄せにタクシーはなく、ホテル前の歩道にいかにも客待ちと思われる運転手が数人いたので彼らに声をかけ、朝青龍に似た顔の運転手と交渉がまとまり司馬台へ向け出発。
途中ガソリンスタンドで燃料補給。運転手に尋ねると北京のタクシーは日本とは違いガソリンで走っているとのこと。(以前は天然ガスで走っている車もあったが、今はないとのこと)
運転手に尋ねると、普通の観光客は八達嶺長城か慕田峪長城に行くそうで、運転手自身も司馬台まで来るのは初めてとか。確かに走行中に(おそらく事務所か仲間に)電話をして道順を確認していたのをふと思い出しました。
北四環路から京承高速路に入り、約120km走った司馬台ICで降り、ここから一般道を更に5km走ると目指す目的地です。
ところが看板に従いをしばらく走ったところ、突然道が閉鎖されて、交通整理のおじさんに停められました。運転手曰く、司馬台長城は改修工事のため現在閉鎖中で、早くて2年後にリニューアルオープンするとのこと。(確かに私の他に観光客らしい車は見当たりませんでしたし、ホテルに戻ってWebサイトを調べたらしばらく営業停止とデカデカと書いてありました)
今回の北京旅行で一番楽しみにしていた場所がよりによって閉鎖中とは。なんともタイミングが悪く本当にガッカリしました。
仕方が無いので、長城が見える場所から何枚か写真を撮り、運転手が買ってくれた甘い緑茶を飲みながら再び北京市郊外へ戻り、2年前にも尋ねた798芸術区へ向かうことにしました。
往復約300km走りもうすぐ798芸術区と言うところで、運転手が「車が壊れた」と言い、メーターパネルを指さすので、何かと覗いたらバッテリーの赤ランプが点灯していました。私も自分の車で経験があるので、オルタネーターが発電していない事はすぐわかり、798芸術区に到着したところで、「すぐに修理に出したいから、ここからホテルまではタクシーを拾って帰ってくれ」と言われ、仕方なくタクシーを降りることにしました。踏んだり蹴ったりですが、運転手が「長城の件は本当に申し訳ない」と詫びていたので、まぁこれも旅の経験と思いよしとしました。
前回798芸術区を訪れた時は真冬で家族を連れていたので、あまりあちこち歩きまわることは出来ませんでしたが、今回は真夏の気ままなひとり旅。暑さを耐えながらものんびり見学をして回りました。
12時になりZ老師に電話をかけ、夕方の待ち合わせ場所と詳細時間を確認してから、タクシーを拾い東直門の地下鉄駅まで行き、地下鉄でホテルに戻ることにしました。
地下鉄の駅の入り口で手荷物の検査を求められたのと、切符がICカードになっていたのには驚きました。(切符を購入する手順が最初分からず、券売機の前でしばらく悩んでしまいました)
システムが変わっても相変わらずなのは、駅員の無愛想な態度。2号線はどこかと訪ねても、黙ってあごで指示すのは昔のままです。
2号線から雍和宮駅で5号線に乗換え、ホテル最寄の灯市口駅で下車。昼飯場所を探しながら、暑い中ぶらぶら歩いていましたが、このままホテルに戻ったら、そのまま寝てしまうかも知れないと思い、あえてホテルの前を通過。老舎故居(記念館)を訪ねることにしました。
金魚胡同から王府井大街を北に曲がり、王府井教会で写真を撮り、ガイドブックに従い灯市口西街を歩いて目的の老舎故居を探しましたが、なかなか見つからず、そうこうしているうち食堂が目に入ったのでここで昼食。前日に引き続き牛肉面を注文しました。(8元:約120円)
食後再び老舎故居を探して回り、同じ場所を3度歩いてようやく「老舎記念館」の看板に気が付きました。
北京の伝統的な「四合院」造りの記念館で、入り口に立って写真を撮っていると、他に見学者もいなくて暇を持て余していたのか、説明係のおじさんが「参観ですか?」と声をかけてきて、有無を言わさず中に案内され、老舎婦人の書が掛けられた「五彩小木影壁」などを説明してくれました。
「胡同のひまわり」などの映画で「四合院」は観たことがありますが、実際に中に入るのはこれが初めて。外の喧騒をしばし忘れさせてくれる静かな記念館でした。
おじさんに参観記念に一言書いてくれと促されて、文法的に正しいのかあまり自信はありませんでしたが、中国語でひとこと書かせていただきました。
ホテルに戻り、シャワーを浴び汗を流してから写真の整理。それが済んでベッドに横になると、いつの間にか眠ってしまいました。
6時半にZ老師と約束した場所へ行くため、手土産を持ってホテルを出て地下鉄1号線で国貿駅へ。ちょうど会社の引け時と重なって地下鉄はものすごい混雑でしたが、携帯電話でやりとりしながら、無事落ち合うことが出来ました。
2年ぶりに会い、お互いの近況報告や北京のおすすめの観光スポット・日本へのお土産の紹介をしてもらい、10時過ぎにまた機会があったら再開しましょうと言って分かれました。
ホテルに戻って一息つくと、昼間の疲れで夕食時に飲んだビールの酔いが一気に回ってきて、メールチェックやネットサーフィンもそこそこに、早々に寝てしまいました。
(7月7日の朝に記す)
北京ひとり旅(1日目) ― 2010/07/05 00:49
早朝4時半、日の出時刻と共に起床。NHKラジオ「あさいちばん」を聴きながら出発前最後の荷物点検を行う。
9時、アパート近くのバス停から、中央線の最寄り駅まで移動。
神田で京浜東北線に乗り換えて上野で降り、京成線の特急で成田空港(第一ターミナル)に12時ちょうどに到着。事前に予約していた携帯電話を受け取り、向かいのサブウェイで簡単に昼食。その後旅行会社のカウンターでeチケットを受け取って受付カウンターへ移動。
平日にも関わらず結構混んでいて、前方の元気なオバサンたちの荷物をふと見ると、「クラブツーリズム」のステッカーが貼ってあり、聞こえてくる会話を聞くとはなしに聞いていると、北京経由成都行きとか言っているので、おそらく私がキャンセルした九寨溝ツアーの一行と思われます。
荷物を預けて、さて出国手続きをと思ったら、北京行CA926便は中国からの便が遅れている関係で、手続開始が未定と表示されていました。
仕方が無いので何か時間潰しはないかとふと横を見ると、「ボディースキャナー」の実証実験をしているのに気が付きました。たまたま今朝のニュースで今日から成田空港で実証実験を行うと報じていたのを聴いていたので、このことかと思い説明書きのポスターを眺めていたら、「実験に参加してみませんか?」と係員から声をかけられ、他にやることもないので参加してみました。
時計や財布など身の回りのすべて取り外し、円柱状のカプセル入ると数秒で全身がスキャンされる仕組みです。ニュースでは身体のラインまでハッキリと映しだされると報じていましたが、今回の実験ではプライバシーに配慮して、マンガチックな人の形が映し出されていました。実験参加のお礼にとフェイスタオルを貰っているうち、出国手続きが始まり、税関を通過。
あとは搭乗口の前でパソコンを開いて、ひたすら時間潰しですが、外国人の旅行者の中には話題のiPadを使っている人もいました。
予定時刻よりも約50分遅れで搭乗手続きが始まり、機内へ移動。
中国国際航空だけあって、必要最小限度のあっさりとした機内で、映りの悪い大画面モニタを眺めながらいつしかウトウトとしてしまいました。
機内食は鶏肉のご飯と、牛肉面のどちらかを選べというので、後者を注文しました。
食後も何するとなくウトウトとしているうち、気がつけば着陸準備に入ったことを機内アナウンスで報じていましたが、驚いたのは現地の気温が41℃とのこと。出発直前まであちこちの天気予報サイトで北京の天気を調べていましたが、こんなに暑いとは思いませんでした。
予定より40分遅れの現地時間の18:50に、北京首都国際机場(空港)に到着。
オリンピックに合わせて飛行場が拡張され、どうやらその一番端に到着したようで、入国審査を終えてからシャトル便で飛行場を移動し、荷物を受け取ってようやく到着口で旅行社の係員に会うことが出来ました。
私の他に中国は始めての若いお兄さんと一緒に、旅行社の車で市内中心部へ移動。ここでレンタルした携帯電話でZ老師に北京到着した旨を報告。明日の夜に会う約束をしました。
今回の旅の宿泊先は、5年前に家族を連れて北京旅行をした際にも利用した「和平賓館(ノボテルピース)」です。前回利用したので、ある程度勝手が分かっていますし、王府井へ歩いて行ける便利なホテルです。
部屋に入って一休みする事こともせず、さっそく買出しの準備。フロントで両替をしてさっそく表へ出ましたが、ムッとする暑さには閉口しました。
夜の王府井は平日にも関わらず、9時を過ぎても涼を求める人々や観光客が大勢繰り出して大変賑やかでした。
「外文書店」で最新の北京市内地図を買い求めてから、東華門の夜市を冷やかして歩き、途中コンビニでミネラルウォーターとビールを購入。この時レジ袋をくれないので、「塑料袋(ビニール袋)はないの?」と尋ねたら有料(五角)とのこと。北京でもレジ袋の有料化が始まっているとは知りませんでした。
その後再び夜市を見物してホテルに戻り、CCTVで明日の天気を確認してから風呂に入り、この文章を書いています。
明日は、早朝・朝食の後すぐに司馬台長城へ出かけ、夜にZ老師と食事の予定です。
北京ひとり旅(出発前夜) ― 2010/07/04 23:23
私が勤めている会社では、節目(5年)ごとに5日間の休暇を社員に与える制度(いわゆるリフレッシュ休暇)を採用しており、今年その制度を利用出来ることから、7月に利用することに決め、この期間を何に使うか以前から密かに企んでいました。
これまでに企画したプランは、
1・両親を連れて奈良の平城遷都1300年祭の見物と伊勢神宮詣で
2・中国四川省・九寨溝と黄龍への個人旅行
3・草津温泉で叔父の経営する宿泊施設を利用して湯治
4・北海道へドライブ旅行
5・アパートに篭ってひたすら惰眠を貪る
などなど。
1は、普段両親に何もしてあげていないので、罪滅ぼしのためにも良いと思ったのですが、京都・奈良・伊勢と大人3人で出かけると、旅行費だけでもバカにならないんですな。と言うことで両親には申し訳ないのですが、別の方法で穴埋めということで却下。
2は、以前TVの特集番組を観て、この世のものと思えない風景に感動し、「実際にこの目で観てみたい!」と強く心に決め、インターネットであれこれ検索し「クラブツーリズム」のツアーに申し込んだまではよかったのですが、その直後隣の青海省で大地震が発生したり、ネットで現地の気候を調べたら、7月が一番雨の多い季節と知り、せっかく出かけて雨ばかりじゃしょうがないし、地震が起きたばかりの所に行くのも忍びないと思い、数日後速攻でキャンセル。(それと行動が制約される団体ツアーが苦手。富士山を優に超える高地で高山病が心配、など)
3は、費用がかからず、ノンビリ温泉三昧出来るのが魅力なのですが、草津温泉で一週間何もせず暇が潰せるか?親戚の家に厄介になるのも何だなぁと思い、これも却下。
4は、1996年に帯広までドライブしたことはありますが、14年が過ぎた現在、ドライバーも車もさすがに老朽化が進んで、果たして無事走りきれるか?かなり不安なため却下。
5は、ある意味贅沢と言えば贅沢ですが、せっかく与えられた休暇制度を愚弄している感があって却下。
この他にも、かつて嘉悦大学で中国語を教えていたX老師を訪ねて、中国・武漢へ行くことも考えましたが、武漢大学の教授で忙しいかも知れないと考え、気が引けて却下。上海は万博で大変な騒ぎでしょうから、端からプランにすら入れていません。
このようにあれこれ考えてはみたものの、結局2年前に訪ねた北京を再訪することで落ち着きました。
今回の目的は、かつて1対1で中国語を教えていただいたZ老師と再会すること。2つ目は「司馬台長城」の一番険しい場所をこの目で観ること。3つ目は老舎記念館を訪ねること。4つ目は炸醤面を始めとした北京料理を食すること。
前回は真冬の氷点下の時期で、あまり表を歩きまわれなかったので、その分を挽回し、出来るだけ数多くの事物に触れてきたいと考えています。さてさてどのような旅になりますことやら・・・








































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