新宿末廣亭 六月上席四日目2010/06/04 23:45

新宿末廣亭にて

今日は勤めている会社の特別休日。(一説には景気の良い時代、上層部が平日ゴルフのために設けた制度の名残だとか。このご時世こんな呑気なことで大丈夫なのかと、正直心配になる休日ではあります)

翌日からの週末は、所属している自動車クラブの年に一度の一泊ツーリングがあるため、一日使って愛車の整備・洗車に調度良いとは思ったのですが、今日の新宿末廣亭の昼の部は、落語をよく知らない人でも一度くらいはテレビで観たことがあるであろう噺家が大勢高座に上がることから、めったに無いチャンスとばかり、友の会の入場券を握りしめて出掛けることにしました。(感想は後日あらためて)

―昼の部―
 林家 扇 「真田小僧」
 林家 たけ平 「ん廻し」
 マギー隆司 奇術
 神田 茜 講談「初恋閻魔由来」
 春風亭 勢朝 「ざいぜんごろう」
 ホンキートンク 漫才
 吉原 朝馬 「替り目」
 林家 鉄平 「代書屋」
 三遊亭 小円歌 三味線漫談
 春風亭 小朝 「こうもり」
 林家 三平 「水戸黄門漫遊記より扇の掟」
 翁家 勝丸 太神楽
 林家 木久扇 漫談:歴代首相と先代正蔵師のモノマネ
―仲入り―
 柳家 三三 「八五郎出世」
 笑組 漫才
 柳家 喜多八 「長短」
 林家 正蔵 「悋気の独楽」
 林家 正楽 紙切り:相合い傘、夏祭り、ワールドカップ、七福神、○ッキーマウス
 林家 種平 「一文笛」

開口一番、見出し(めくり)に一文字「扇」と書かれているので、入船亭一門の噺家さんかと思っていたら、林家木久扇師のところの女流噺家さんでした。

鉄平師の「代書屋」。柳家権太楼師などに比べると、主人公が割合あっさりとした感じでしたが、これはこれで良かったと思います。

小円歌姐さん、余興で美しい踊りを観せてくれるかと期待していましたが、今日は三味線漫談だけでちょっとガッカリ。

続いて期待の小朝師。その昔演芸番組で「たがや」や「稽古屋」などを観て、子供ながらに上手い噺家さんだなぁと思っていましたが、近年はどうもスキャンダル方面(それをネタにした笑い)でしか名前を聞かなくなって残念でした。古典落語を期待していましたが、今日は新作の「こうもり」と言う噺。

続いては、小朝師のかつての義弟に当たる二代目林家三平師。中国語落語などにチャレンジしていたり、寄席の番組で観たことはありますが、実演に接するのは今回が初めて。

テレビで観た時にも感じていたのですが、変に力が入っているのと癖なのかちょっと早口で、途中で言いよどんだりする箇所があって、もう少し落ち着いて話ても良いのになぁ。まぁ年数を重ねてゆくうちに落ち着いてくることを期待しましょう。話の途中にちょっとしたギャグを挟む辺りは、先代の芸を踏襲したものか?あまり先代を意識しないで、二代目は二代目で歩んでゆけば良いと思いますがね。

仲入り前は、木久扇師。マクラで党代表選挙の結果を報告してから歴代首相のモノマネと、関連して先代正蔵(彦六師)の選挙応援の話。いずれも聞き古した内容でガッカリ。テレビばかり出ていると芸が荒れると言われますが、ホントもうちょっと聞かせる噺をやって欲しいなぁ。

仲入り後のクイツキは三三師。両隣に座っていたお客さん、共に「三三」が読めなくて「なんて読むのかね?さんぞう?」なんてヒソヒソ話している割には、「林家はどうの」とか一端の評論家を気取っている有様。恥ずかしいから黙って観ていてくれよと言いたくなります。

話は、いつも聞く「妾馬(八五郎出世)」の更に前段、八五郎が初めて物語に登場する場面。こんなのまで落語になっているとは知りませんでした。

続いては、昼の部のお目当ては喜多八師。舞台に登場し「待ってました!」と声を掛けると「ご期待に添えるか心配ですが…」と気の無さそうな返事。お約束の「疲れが取れない」とボヤいてから「長短」。喜多八師の間のとり方、にじみ出てくる雰囲気がいいのか、二人の男がしばらく黙っていても絵になる高座でした。

続く正蔵師。喉の調子は以前観た時より良くなり、話ぶりも落ち着いていて、だいぶ聴きやすかったです。

紙切りの正楽師。いつもながら鮮やかな手さばきで次々と作品を仕上げていましたが、最後の「例のネズミ」はいろんな権利が絡んで、表では決して切ることが出来ない作品でしょうな。

トリは、種平師。過去2回師の高座は観ていますが、2回とも桂三枝作の「ぼやき酒屋」(マクラから全く同じ話)を聴かされていて、果たしてトリはどうかなと正直期待はしていなかったのですが、この日は桂米朝作の「一文笛」。人情話もじっくり聴かせてくれる噺家さんであることを再認識させてくれました。

―夜の部―
 春風亭 朝呂久 「手紙無筆」
 柳家 花ん謝 「元犬」
 近藤 志げる アコーディオン漫談:野口雨情の曲
 柳家 さん福 「壺算」
 花島 世津子 奇術
 柳家 小団治 「ガマの油」
 桂 才賀 漫談:台東区の人間ウォッチング
 大瀬 ゆめじ・うたじ 漫才
 川柳 川柳 「ガーコン」
 三遊亭 萬窓 「紀州」
 柳家 さん喬 「そば清」
―仲入り―
 古今亭 志ん橋 「無精床」
 太田家 元九郎 津軽三味線漫談
 古今亭 志ん輔 「お花半七」
 柳家 小さん 「子ほめ」
 鏡味仙三郎社中 太神楽
 柳亭 小燕枝 「猫の災難」

夜の部は、翌日の一泊ツーリングの準備のため、仲入り前のさん喬師で帰ろうと思ったのですが、結局トリまで観て帰りました。

才賀師の漫談はこれで2回目。しかも内容は前回と変わらず。まぁこれは我慢出来たとしても、川柳師は相変わらず「ガーコン」(「ガーコン」以外観たことがない)。唯一いつもと違っていたのが、時間の関係(萬窓師が遅れて来たため)でマクラで自著の宣伝をしていたくらい。

夜の部のお目当ては、お気に入りのさん喬師。話は十八番の「そば清」。ラジオ放送で既に何度も聞いていますが、実演に接するのは今回が初めて。

さん喬師の「そば清」は、最後の賭けに入る前に解説を挟むため、話の流れが途切れてしまうのがいつも気になっています。まぁ初めて聴く人へのサービスなんでしょうがね。

仲入り後、志ん橋師・志ん輔師と、故志ん朝師のお弟子さんが続いて登場。志ん輔師の「お花半七(宮戸川)」は、サゲをどう処理するか期待していたら、時間の関係でしょう、霊岸島の叔父さんと叔母さんが若いふたりを見て、自分たちの若い頃を懐かしむシーンでブッツリ切って終わり。もうちょっなんだから最後まで演ってくれてもよかったのになぁ。

続く当代小さん師の「子ほめ」もサゲまで行かずにオシマイと、なんとも中途半端な高座が続いてしまいました。

昼の部に比べると、夜の部はちょっと今ひとつ(圓窓師が急用で来られなくなり、弟子の萬窓師が代演)でしたが、6月下席はいよいよ大物噺家が登場します。友の会の有効期限も今月末までですから、有効に使うことにしましょう。

一泊ツーリング20102010/06/06 20:58


ペンション「青空の扉」にて記念撮影

 この土日は、所属している自動車クラブ「SAFETY FIRST MOC1994」恒例の一泊ツーリングで蓼科・車山高原に出かけてきました。

 私自身は昨年参加出来なかったので2年ぶりの参加でしたが、二日間ともに天候に恵まれ、仲間たちと大いに楽しいひとときを過ごしました。

 クラブ設立から15年も経つと、残念ながら愛車をを手放さざるを得ないメンバーや、家族(特に子どもの学校行事等)の関係で年々参加者が少なくなってきてしまうのは致し方ないことですが、日常の仕事を離れた仲間たちとの繋がりは、これからも長く続けたいものだと思います。

車山高原にて

スーパーの炸醤麺2010/06/13 17:01


オーケーストアの炸醤麺

 最近スーパーの惣菜売り場を覗くと「ジャージャー麺」を見かける機会が多くなりました。今日も昼飯の買出しで出かけたスーパーに陳列してあったので、話のタネに買ってみました。

 今日買った「いなげや」のものは野菜類が多くて、その点は本場のものに近い感じはしますが、決定的な違いは麺ですね。この点が改良されると、結構いい製品になるんじゃないかと思います。

(上:オーケーストア 下:いなげや)

いなげやの炸醤麺

学生落語を聴きに行く2010/06/19 20:22

文化の花道亭ぷろぐらむ

新聞の多摩地域欄に、国分寺市の東京経済大学で落研(落語研究会)が18年ぶりに復活すると言う記事があり、社会人やプロのOBを交えての披露公演が行われると言うことから、素人さんの芸を見てみるのも面白いと昼過ぎに出かけてみました。

【第一部】
 葵亭 軽太 「ろくろ首」
 葵亭 双葉 「近日息子」
 信濃屋 中蔵 「代書屋」
 振られ家 片思 「明烏」
―仲入り―
【第二部】
 復活披露口上
 春風亭 べん橋 「強情灸」
 新山 真理 漫談と寄席踊り
 春風亭 柳橋 「替り目」

今日が初演と言う軽太さん・双葉さん、いかにも初めてと言った感じで、見ているこちらもハラハラとしましたが、とりあえず無事一席ずつ終えたと言う感じ。これから先勉学の合間に修行を積んでどんな風な学生噺家さんになってゆくでしょうか?

一方、社会人OBの中蔵さん・片思さんのお二方は、下手なプロの噺家よりも上手くてビックリ。会社の宴会の余興か何かでいつも演っているんでしょうか?特に片思さんの「明烏」は良かったです。

第二部、披露口上の後はプロの出番で、芸協所属の芸人さんでどの方もお初ばかり。

始めに二ツ目のべん橋さん。熱さを我慢する男を顔を真赤にして熱演されていました。

続いては漫談の新山真理さん。以前ラジオ番組か何かで、中継をされていて名前だけはかすかに聞き覚えがあるのですが、芸に接するのは初めて。漫談の後にべん橋さんと二人で寄席踊り「奴さん・姐さん」を踊ってくれました。

トリは東経大OBの柳橋師。流石に大看板を背負っているだけあって、貫禄のある高座でした。演目の「替り目」は本来のサゲまでタップリと聴かせて下さいました。

昔は大学の落研対抗でお笑い番組が一本作れたくらい各大学に落研があったようですが、落語ブームと言われている最近はどうなんでしょうかね?また機会があれば足を運んで若い学生さんの芸を見てみたいと思います。

黒門亭で落語を聴く2010/06/20 20:59

上野・黒門亭

クーラーのないオンボロアパートに住んでいるためか、たまに空調の効いた所に長時間いると却って体調が悪くなるようで、昨日もエアコンのガンガン効いたホールで学生落語を聴いてから頭痛がしてしまい、今朝になっても治らず、仕方なく朝から頭痛薬を服用する有様です。(半ば持病と化している週末頭痛かも知れませんが)

話は変わって先日落語協会のWebsiteを観ていたところ、上野の黒門亭で正雀師が出演されると書かれてあり、また同じ部のトリに、先日寄席で初めて観て以来気になっている文左衛門師の名前があったので、頭痛をかえりみず出かけてきました。

柳家 さん市 「子ほめ」
 古今亭 菊春 「たがや」
 林家 正雀 「幸助餅」
 橘家 文左衛門 「化物使い」

開口一番のさん市さん。流石にさん喬師のところのお弟子さんらしく、きっちりとした口調で演じていて、他の前座さんが演じる「子ほめ」とはちょっと違う何かを感じさせてくれました。

菊春師の「たがや」。全身を使ってダイナミックに演じたり、啖呵を切る場面は迫力がありました。

正雀師の「幸助餅」は、昨年秋にNHKの「真打ち競演」で放送して以来久しぶりに聴きました。相撲に入れ上げた旦那が改心して餅屋を開くと言う人情噺で、前回ラジオ放送の時は時間の関係もあったでしょうが、今日はたっぷり演じていただいたので、前回以上に話の内容が理解出来ました。

トリは文左衛門師。先日寄席で拝見した時から、何となく「下町の気のいい兄さん」を思わせる噺家さんだなぁと思っていて、前回の「手紙無筆」は半分投げやりのようなハチャメチャな終わり方をしていましたが、今日はきっちりと最後まで演じていました。入れ替わり登場するバケモノと隠居の会話は場内爆笑でした。

とにかく落語を聞いている間は頭痛や日頃の憂さを忘れて、楽しいひとときを過ごすことが出来ました。

下の色紙は、今日の演者とは関係ありませんが、たまたま開場前に入口にいた、この秋真打になる「入船亭扇里」さんに書いていただいたサインです。

入船亭扇里さんのサイン

新宿末廣亭 六月下席初日(夜の部)2010/06/21 22:16

夕方の新宿末廣亭

今日は夏至。言うまでもなく昼の時間が一番長い日ですが、逆にこれから先は冬至まで徐々に昼間の時間が短くなってゆくと思うと、毎度のことながら憂鬱な気分になります。

そんな憂鬱な気分を笑いで晴らそうと言うわけではないですが、今日も今日とて寄席に行ってきました。

今日のお目当ては、今月落語協会の会長に就任することになっている柳家小三治師。名人上手と言われる噺家さんのほとんどが亡くなってしまった現在、唯一の存在とも言える噺家さんです。

夕方5時、会社を逃げるように駆け出し、途中のコンビニで食糧を買い込み、急いで山手線に乗り、新宿末廣亭に着いたのが6時ちょうど。既に1階の椅子席は満員で、係のお姉さんに「桟敷席かそれとも2階にしますか」と問われ、正面から見える2階に上がりました。

幸い2階は空いていて最前列真正面の座布団が空いていたのでそこを占拠しました。

(個々の感想は後日あらためて)

途中から
 柳亭 左楽 「馬のす」
 林家 正雀 「紀州」
 ぺぺ桜井 ギター漫談
 三遊亭 圓窓 「つる」
 柳家 喜多八 「鈴ヶ森」
-仲入り-
 柳家 〆治 「看板のピン」
 柳家 小菊 粋曲
 柳亭 小燕枝 「権助提灯」
 入船亭 扇橋 漫談と「梅干の歌」
 翁屋和楽社中 太神楽
 柳家 小三治 「宗論」

雨の日の朝2010/06/23 21:14


あじさい

 今朝は雨。出掛けにアパートの大家の庭先を通りかかったら、雨に濡れたあじさいがふと目に入り、そのまま通り過ぎようと思いましたが、どうしても気になったので、一旦引き返して何枚か撮影してみました。

梅雨の晴れ間2010/06/24 22:42


新宿駅南口

 昨日とは打って変わって、今日は梅雨の最中とは思えないほど湿度が低く良い天気の一日でした。夕方には美しい夕焼けも見られました。(会社を早く出られれば、もっと赤く染まった空が撮影出来たのですが)

 一方で西日本、特に九州地方では記録的な豪雨に見舞われているところもあるそうで、被災された皆様には、心よりお見舞いを申し上げます。

一夜開けて2010/06/25 23:01


新宿駅構内にて

 サッカーにはとんと関心のない人間ですので、今朝起きて点けたラジオで日本がデンマークに勝ったと報じていても、「あぁそうですか」くらいの感想しか出てこないんですが、勝敗よりも驚いたのは、早朝にもかかわらず瞬間視聴率が関東地方で41.3%という数字(ビデオリサーチ調べ:日本経済新聞)です。

 今朝通勤途中の山手線の駅でも、夜通し騒いでいたであろう残党組を見かけましたが、皆んな体力が有り余っているじゃないのかねぇ・・・そのエネルギーを何か別の方面に向けたら、日本ももっと活気づくんじゃないか?そんな気がします。

新宿末廣亭 六月下席六日目2010/06/26 12:03

深夜寄席を待つ人々

まだ数日残っていますが、今月を振り返ってみますと寄席三昧の1ヶ月でした。

新宿末廣亭だけでも3回足を運びました。っと言うのも、先日の下席初日(夜の部)トリの小三治師。延々とマクラが続き噺が10分少々と、正直物足りなく感じ、今日ちょうど新宿へ出かける用事があり、また末廣亭友の会の更新時期だったので、手続きついでに落語を聴くことにしたからです。

夜の部のトリ目当てのお客さんで満員かもしれないと予想していた通り、木戸口で更新手続きをしている間、係の方から「立ち見ですけどいいですか?」と言われ一瞬迷いましたが、既に伊勢丹で弁当や飲み物を買って来た手前、このまま帰るのも癪だし、昼の部が終われば座れるだろうと期待をして、場内に入りました。(上手い具合に?入場してまもなく桟敷席のお客さんが1人帰られたので、入れ替わりに座ることが出来ました)

―昼の部途中から―
 柳家 権太楼 「代書屋」
―仲入り―
 入船亭 扇好 「紙入れ」
 笑組 漫才
 金原亭 伯楽 「真田小僧」
 むかし家 今松 「開帳の雪隠」
 林家 正楽 紙切り:相合傘、あじさい、七夕、田植え
 柳亭 小燕枝 「天災」

今松師の「開帳の雪隠」。初めて聴く噺ですが、オチがとぼけた感じの楽しい噺でした。

トリは代演の小燕枝師。今月小燕枝師の高座を聴くのはこれで3度目。「天災」は、昨夏に小三治師で初めて聴いてから、不思議とラジオ等で他の噺家さんが演じるのを聴く機会が増えた作品で、単なる落とし話ではない、処世訓を説いた含蓄のある作品で、好きな噺の一つです。

―夜の部―
 林家 はな平 「みそ豆」
 柳家 ろべえ 「たけのこ」
 林家 正雀 「花筏」
 柳亭 燕路 「もぐら泥」
 花島 世津子 奇術
 柳亭 左楽 「目薬」
 五街道 雲助 「お菊の皿」
 ぺぺ桜井 ギター漫談
 三遊亭 圓窓 「夕立屋」
 柳家 小里ん 「棒鱈」
―仲入り―
 柳家 はん治 「ぼやき酒屋」(桂 三枝作)
 柳家 小菊 粋曲
 柳家 小袁治 「唖の釣り」
 入船亭 扇橋 「二人旅(どうして♪)」
 翁家 勝丸 太神楽
 柳家 小三治 「厩火事」

二ツ目のろべえさん。マクラで名前の由来を「弥次郎兵衛」から採ったものと説明していて、以前からの疑問がこれで解消しました。

正雀師。相撲がお好きなのか、昨今の騒動に絡めてなのか、先日の「幸助餅」につづいて今日も相撲の噺をされていました。

中入り後のクイツキははん治師。よほど桂三枝師に傾倒しているのか、これまで3回落語を聴く機会がありましたが、全て桂三枝師の新作落語でした。「ぼやき酒屋」は他の噺家さんが演じているのを聴いたことがありますから、すでに古典とも言えるのでしょう。

扇橋師は、もぅ完全に独自の世界を歩んでますし、客もその点は承知のうえで噺を聴いている様子が会場の雰囲気からよく分かります。

勝丸さんは場の雰囲気を読んでか、ごく簡単に傘の曲芸を披露して早々と引込み、いよいよトリの小三治師の登場。

前の日に(社)落語協会の会長に就任したこともあって、高座に姿を見せるやいなや「会長!」などの掛け声が飛び交ってはいましたが、ご本人は「これも縁ですかねぇ」みたいなごく淡々とした口調で話し始め、短いマクラの後突然噺に突入。

演目の「厩火事」は、私が小学生の頃に初めて聴いた落語(多分六代目圓生師で)の一つで、小三治師で聴くのは今回が初めてです。おかみさんの揺れ動く複雑な心境とサゲのブラックユーモアが強烈に印象に残る噺です。

30分たっぷり演じて終演。満足して表に出ると、小雨がぱらつく中、末廣亭の前には「深夜寄席」の開場を待つ長い列が出来ていました。