北京スナップ写真(その8)2008/01/31 22:07

老北京炸酱面大王にて

昨日から世間では中国産冷凍食品の問題で持ちきり状態です。このような状況下で、のんきに中国の食べ物の話題もどうかとは思いましたが、まずは何はともあれ今回被害にあわれた方々の一刻も早い回復をお祈りするとともに、これ以上の被害拡大の防止と原因究明、再発防止に関係者の迅速な対応を期待しながら、前回に引き続いて北京旅行で食べた料理を紹介することにします。

以前も書きましたが、中国語学習を始めて「ジャージャー麺」の由来が北京の郷土料理「炸酱面」であることを知り、前回の北京旅行で「颐和园」の「苏州街」で初めて本場の「炸酱面」(写真を撮っていなかったことが今でも悔やまれます)を食して以降、日本で食べられないかと都内の北方系の中華料理数店を訪ね歩きましたが、いまだにめぐり会う機会がないままになっているので、今回の北京旅行の昼飯は、両親には申し訳ないのですが、2日続けて「炸酱面」につきあってもらいました。(まぁ2人とも日頃からうどん好きなので、問題なかったようですが)

まず最初に訪ねたのは、北京市内の西側・釣魚台迎賓館のちょっと北側、甘家口大厦(ビル)にある「海碗居」。

北京日本人会のサイトで紹介されていたり、ネットのユーザーが投稿するレストラン批評のサイトで高評価を得ていたことから、地下鉄・阜成門駅からタクシーに乗って出かけました。

海碗居

ショッピングデパート5階にあるということは事前に調査すみだったものの、屋台村のようなレストラン街をざっと見回しても見当たらず、本当にあるのか一瞬不安になりましたが、ほどなく奥に立派な作りの店舗を見つけて、若くて元気の良い服務員に案内されて入店。

メニューは写真付きのメニューなので、素人の私でもすぐ分かるのはありがたく、まずは何はなくてもと「炸酱面」を注文。サイドメニューにやはり郷土料理の「麻豆腐」を指したら、何か言っているのですが、どうしたことかさっぱりわからなくて(いつもは少ない単語を繋ぎ合わせておおよその見当をつけるのですが)、しばらくやり取りしても結局駄目で、他のお客さんの対応に忙しそうなので、こちらから「算了算了(もういいよ)」と「麻豆腐」はあきらめて、餅米で作られた軽食の盛り合わせ(小吃集錦)を注文しました。

炸酱面

そんなこんなしているうちに、いよいよお待ちかねの「炸酱面」が登場。お客へ供する前に、野菜類をお碗にぶち込む冒頭の写真のようなパフォーマンスがあることは知っていたのですが、あまりにも急にやってきてカメラの準備をする間もなくパフォーマンスが終わってしまい撮影できなかったのは残念。(写真は翌日の「老北京炸酱面大王」で撮影)

かなり大き目のお碗にたっぷりの面と野菜で結構食べ応えがありました。タレは結構塩っぱくて、少量のタレでも食が進みます。かき混ぜかたが足りなかった母は、タレだけを大分余らせていました。

「炸酱面」だけで十分腹いっぱいになってしまい、一緒に注文した軽食は結局食べきれず、もったいないのでもちろん「打包帯走(お持ち帰り)」しました。

隣のテーブルに陣取っていた若い女性の団体は、食欲旺盛で「炸酱面」の他にもたくさんの副菜を注文していながら、あっという間に平らげていたのには驚きです。

老北京炸酱面大王

さて「海碗居」の翌日は、天壇公園のすぐそばにある「老北京炸酱面大王」。地下鉄5号線・瓷器口駅で降りて道なりに南下すると、日本の観光ガイドでもすっかりおなじみの店が見えてきます。

やや遅めの時刻に入店しましたが、日曜日の昼と言う事もあってか、結構にぎやかな店内で、席に着いてさっそく「炸酱面」と「西紅柿炒蛋」と、ここに来てまで何とかの一つ覚えのメニューを注文。(ちなみにこちらのお店は料金先払いでした)

炸酱面

こちらのお店は、前日の「海碗居」に比べると浅めのお碗で、面の量もやや少なめですが、少食の我々にはちょうど良い分量でした。面は子供の頃田舎の祖母の家で出された手作りのうどんを思い起こさせるような食感で、またタレの味もちょうど良くて、両親も満足の様子でした。

どちらのお店も十分おいしい「炸酱面」には違いありませんが、個人的には「老北京炸酱面大王」が好みでした。(味とは関係ありませんが、店内の雰囲気や清潔感、服務員の接客態度は「海碗居」の方が勝っていた事を付け加えておきます)

いずれにしてもこの2日間で「炸酱面」を十分堪能しました。あとは日本のどこかで本格的な「炸酱面」を食べさせてくれるお店があれば言う事ないんですがね。