北京スナップ写真(その5)2008/01/26 17:30

中国鉄道博物館・無人のミュージアムショップ(1/20撮影)

子供の頃から地図を眺めては未知の土地への思いを馳せるのが好きで、ご存知の「GoogleEarth」の出現以降は、空想旅行に一層拍車がかかったように思います。

さて、前の記事で紹介した「798芸術区」は、市内の東直門から首都空港へ伸びる机場高速道路のほぼ中間「大山橋」にありますが、北京市の地図や「GoogleEarth」を見るとこの芸術村の近くに巨大な円形の線路があることが分かります。



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初めてこの線路を見た時から「これは一体なんだろう?」と気になり続け、「GoogleEarth」の上空写真を拡大したり、ネットであれこれ調べたところ、最近になってここに「中国鉄道博物館」なる施設があることを知り、一般人に比べほんのちょっと「鉄分」が多い人間としては、ぜひ一度訪問しなければと思い、「798芸術区」を見学する前に立ち寄ることにしました。(円の左上、10時の位置にある白い長方形の物体が博物館です)

「鳥の巣」の前で流しのタクシーを捕まえて、運転手に「中国鉄道博物館まで」と伝えたところ、案の定「どこにあるのか知らない」との返事。知名度の低い施設だろうと予想はしていたので、持っていた市内地図を広げてお客が道案内をすることに。

とりあえず環状五号線で博物館近くで高速道路を降りたものの、さてこの先どう走るか運転手も悩んでいましたが、幸い親切・仕事熱心な運転手で、途中2度も地元の人に道を尋ねてくれて、なんとか目的地に到着。

中国鉄道博物館外観

ところが博物館は人里はなれた寂しい所(どうやら鉄道技術研究所のような施設の一角にあるらしい)にポツンとあるだけで、一度タクシーを降りたら博物館でタクシーを呼んでもらわないと帰れなくなるなぁと話していたら、運転手が雰囲気を察したのか「1時間待ってあげるよ」と言ってくれたのを幸いに、30分待ってもらう約束で慌ただしく内部を見学しました。

(参考)日本の鉄道博物館

日本にも鉄道に関する施設はたくさんあり、最も有名なのは昨年秋に開館したさいたま市の「鉄道博物館」でしょう。

ご多分に漏れず私も開館から約1ヵ月後に出かけましたが、入館までに1時間近く待たされたり、ミュージアムショップや食堂の殺人的な大混雑にはほとほと参りました。それに比べるとこちらの「中国鉄道博物館」は、広々とした体育館のような大きな車庫で、お客は我々家族3人の他、鉄道好きのお兄さんが2人、我々が帰る頃に家族連れが2組来館しただけで、日曜日にも関わらずひっそり閑としていました。

展示車両に簡単な説明板があるだけで、この他には壊れかけた鉄道模型、電源が入っていない説明用のモニタ、埃をかぶった無人のミュージアムショップがあるだけ、2人の職員もやる気の無さがにじみ出ていて、国営施設らしいなかなかいい味を出していました。(オフィシャルページもやる気のなさに満ちあふれていています)

「毛沢東号」と「朱徳号」

館内は暖房がなく、外と変わらない寒さのため早々に引き上げることにし、鉄道好きの友人のために絵葉書セットを購入して、受付兼売店の売り子の小姐に「欢迎您再来啊!(また来てね)」と見送られてタクシーに戻ったら、あまりに早い帰還に運転手が驚いていました。(帰国後デジカメの記録を見たら、15分しか滞在していませんでした)

その後「798芸術区」へ向かい、運転手にお手数をかけたので、数元ではありますが「不用找钱了(おつりはいりません)」と言ってタクシーを降りました。

【ご参考】タクシーで「鳥の巣」から「鉄道博物館」を経て「798芸術区」まで、道に迷っても90元ちょっとでした。今後現地へ出かけられる方のために、入館券の裏に書かれていた地図を貼付けておきます。

鉄道博物館までの地図