東小金井で落語を聴く3 ― 2011/05/14 21:19

落語会の看板 posted by (C)Yongyi
年に2回に開催される小さな落語会。先日主催者から案内のハガキが届き、すぐに予約をして開催当日を迎えました。生で落語を聴くのは、震災直後の新宿末廣亭 3月中席 3日目以来ちょうど2ヶ月ぶりです。
主任はいつもの林家正雀師。ゲストは落語芸術協会から、近年人気の瀧川鯉昇師。ラジオの演芸番組やポッドキャスト等でお名前・噺だけは伺ったことのある噺家さんで、今回お初見です。
今回も落語会の前に、東小金井駅前の中華料理「宝華」で腹ごしらえ。

宝そば posted by (C)Yongyi
いつも通りこの店の看板メニュー「宝そば(油そば)」を注文しましたが、あとから入店した地元の大学生か常連さんと思われる兄ちゃんが、慣れた口調で注文していた「南国チャーハン」と言うメニューが気になりました。何をもって「南国」なのか?次回訪ねた時に注文してみようと思います。
食後のんびりと会場へ行くと、ちょうど開場したところで、受付で木戸銭を払ってすんなり入場。
この日の演目は以下の通り。
第11回 東町落語を聴く会
瀧川 鯉昇 「ちりとてちん」
林家 正雀 「井戸の茶碗」
―仲入り―
瀧川 鯉昇 「蒟蒻問答」
林家 正雀 「子は鎹」と寄席踊り「奴さん・姐さん」
まずは鯉昇師。話には聞いていましたが、座布団に座ってお辞儀をした後、再び顔を上げてから数秒間、会場を見渡すようにじっと前方を見ているだけなのに、それだけで笑いが込み上げてくる独特の可笑し味を持っていらっしゃいます。
その後もマクラでは、次々と繰り出す小咄しでお客さんをグッと掴んで、いつの間にか噺に持って行きます。
「ちりとてちん」は初めて聴く噺ですが、同じく腐った豆腐を気障な男に食べさせる「酢豆腐」は、CD等で何度も聴いているので、それとの違いに注意して聴きました。
鯉昇師が繰り返すオーバーなアクションには、いかにも臭気が漂ってくる感じがして、会場は爆笑の連続でした。
続く正雀師。後半茶碗の代金の半分150両を巡って、浪人(千代田朴斎)がどう逡巡するかと思ったら、あっさり娘を若侍(高木作左衛門)に差し出してしまったので、もうちょっと押し問答があって、間に挟まった屑屋の清兵衛さんを困らせても良かったのでは?などと感じてしまいました。
仲入り後は再び鯉昇師。「ちりとてちん」と同様、豊かな顔芸とアクションで会場を引っ張ってゆきます。
トリの正雀師。今日は「子は鎹」に力を集中させて来たと思わせる素晴らしい口演で、クライマックスの息子を叱る母親の場面は、汗を流しながらの熱演ぶりでした。
一席終わり間髪入れず、今度は寄席踊りを披露して頂きました。
以前も書きましたが、正雀師の高座は、かなりの確率で端整な踊りも観られるので、チョコレートのキャッチコピーではないですけど「1粒で2度おいしい」世界に浸れます。
今日の落語会は、途中休憩を含めて2時間半近く、滑稽噺2席と人情噺2席でお腹いっぱいでしたが、加えて会の世話役の方から「打ち上げにも参加を」と、思いがけないお誘いをいただき、宴席で両師匠から楽しいお話をお伺いすることが出来、腹も心も十分満足して帰宅しました。
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