「ミツバチの羽音と地球の回転」を観る2011/05/01 23:34

シネマまえばし入口
シネマまえばし入口 posted by (C)Yongyi

午後、前橋市の中心街にある名画座映画館「シネマまえばし」で上映中のドキュメンタリー映画「ミツバチの羽音と地球の回転」を観てきました。

先日観に行った「100,000年後の安全」と同じく、原子力問題を扱ったドキュメンタリー映画で、先の震災による原発事故発生のこの時期、あらためて日本の原子力問題を考えてみる機会と思い、ちょうど帰省先で上映中だったので出かけた次第です。

舞台は日本の瀬戸内海に浮かぶ小さな島「祝島」。この島の近くに建設を計画している原子力発電所に反対する島民が主人公です。

映画を観て一番印象深かったのが、中国電力の社員が島民に船上からスピーカーを使って言った「皆さんが心配しておられるような、海が壊れるようなことは絶対にありません。絶対と言ってもいいほど壊れません」というセリフ。

福島の原発事故でやむを得ない処置とは言え、大量の放射能を含む排水を海に流した事実を知った上でこのセリフを聞くと、中国電力の説得が何とも説得力のない空虚なものに聞こえてしまいます。観客からも思わず失笑が漏れていました。

また、スウェーデンの自然エネルギーを活用した自治体の実例も紹介されていましたが、何人もの人が日本の電力が一握りの会社に独占されて、自由化されていないことに驚きの声を発していたのも印象に残っています。

かく言う私も、電気は普通に東電から買うことに、なんの疑問も持たずに40数年間生きてきた訳で、この点ではもっと世界の電力事情を知る必要があると感じました。

日本も今からでも遅くないから、もっとクリーンなエネルギーを活用した発電を、消費者が自由に選択できる方向に推進して行かなくてはならないのでは、と作品を観ながら考えてしまいました。

「100,000年後の安全」同様、非常にタイムリーで、どちらもぜひ多くの方に観ていただきたいと思う作品です。