柳家小満ん「おさらい会」2012/08/26 07:12

柳家小満ん師匠
柳家小満ん師匠 posted by (C)Yongyi

6月に神保町シアターへ映画を観に行った時、ついでに古本屋街を散策し映画・演劇関連の書籍を得意とする「矢口書店」に立ち寄ったところ、柳家小満ん師の著書「わが師、桂文楽」が適価で売られていたので購入して読みました。

昭和の大名人・黒門町の師匠:桂文楽の内弟子時代の思い出話が中心ですが、「夢の口上」の章は師匠を慕う気持ちに溢れた文章で、何とも言えずジ〜ンと来るものがあり名著だと思います。

ちょうどこの本を読んでいる時、著者が四谷荒木町の元料亭「橘家」で落語会を催すとの情報が入ったので、早速申し込みをして聴きに行って来ました。

柳家小満ん「おさらい会」其の一

 柳家 小満ん 髄談「桂文楽の一日」
 柳家 小満ん 「錦の舞衣(上)」(三遊亭圓朝作)
-仲入り-
 柳家 小満ん 「青菜」

開口一番はこの落語会関係者の紹介から始まって、師匠・桂文楽の思い出話。内容は前述の著書から幾つかのエピソードを抜き出したもの。時折挟む師匠のモノマネが面白く、これだけで立派な髄談になっています。(ほぼ同様の内容を(一社)落語協会の柳家小満ん師のプロモーションビデオで閲覧することができます)

二席目は初めて聴く噺で、登場人物や物語のあらすじなどを手がかりにインターネットで検索したところ、フランスの劇作家ヴィクトリアン・サルドゥーVictorien Sardou(1831-1908)の5幕の歴史劇「ラ・トスカLa Tosca」を、幕末から明治時代にかけて活動した落語中興の祖として有名な三遊亭圓朝が翻訳した作品とのこと。(詳しくはこちらのブログをどうぞ)

現在は演り手が少ない(インターネットで検索しても、柳家小満ん師の他は、柳家喬太郎師しかヒットしません)珍しい噺ではあります。

短い休憩の後、トリネタは夏の噺の定番「青菜」。もちろん悪くはなかったんですが、文楽ネタを期待していた私としては、「酢豆腐」か「鰻の幇間」を演じて欲しかったなぁと言うのが正直な気持ち。

そういった意味で主催者・師匠には申し訳ないんですが、個人的にはちょいとアテが外れた落語会でした。

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