新宿末廣亭 六月下席六日目2010/06/26 12:03

深夜寄席を待つ人々

まだ数日残っていますが、今月を振り返ってみますと寄席三昧の1ヶ月でした。

新宿末廣亭だけでも3回足を運びました。っと言うのも、先日の下席初日(夜の部)トリの小三治師。延々とマクラが続き噺が10分少々と、正直物足りなく感じ、今日ちょうど新宿へ出かける用事があり、また末廣亭友の会の更新時期だったので、手続きついでに落語を聴くことにしたからです。

夜の部のトリ目当てのお客さんで満員かもしれないと予想していた通り、木戸口で更新手続きをしている間、係の方から「立ち見ですけどいいですか?」と言われ一瞬迷いましたが、既に伊勢丹で弁当や飲み物を買って来た手前、このまま帰るのも癪だし、昼の部が終われば座れるだろうと期待をして、場内に入りました。(上手い具合に?入場してまもなく桟敷席のお客さんが1人帰られたので、入れ替わりに座ることが出来ました)

―昼の部途中から―
 柳家 権太楼 「代書屋」
―仲入り―
 入船亭 扇好 「紙入れ」
 笑組 漫才
 金原亭 伯楽 「真田小僧」
 むかし家 今松 「開帳の雪隠」
 林家 正楽 紙切り:相合傘、あじさい、七夕、田植え
 柳亭 小燕枝 「天災」

今松師の「開帳の雪隠」。初めて聴く噺ですが、オチがとぼけた感じの楽しい噺でした。

トリは代演の小燕枝師。今月小燕枝師の高座を聴くのはこれで3度目。「天災」は、昨夏に小三治師で初めて聴いてから、不思議とラジオ等で他の噺家さんが演じるのを聴く機会が増えた作品で、単なる落とし話ではない、処世訓を説いた含蓄のある作品で、好きな噺の一つです。

―夜の部―
 林家 はな平 「みそ豆」
 柳家 ろべえ 「たけのこ」
 林家 正雀 「花筏」
 柳亭 燕路 「もぐら泥」
 花島 世津子 奇術
 柳亭 左楽 「目薬」
 五街道 雲助 「お菊の皿」
 ぺぺ桜井 ギター漫談
 三遊亭 圓窓 「夕立屋」
 柳家 小里ん 「棒鱈」
―仲入り―
 柳家 はん治 「ぼやき酒屋」(桂 三枝作)
 柳家 小菊 粋曲
 柳家 小袁治 「唖の釣り」
 入船亭 扇橋 「二人旅(どうして♪)」
 翁家 勝丸 太神楽
 柳家 小三治 「厩火事」

二ツ目のろべえさん。マクラで名前の由来を「弥次郎兵衛」から採ったものと説明していて、以前からの疑問がこれで解消しました。

正雀師。相撲がお好きなのか、昨今の騒動に絡めてなのか、先日の「幸助餅」につづいて今日も相撲の噺をされていました。

中入り後のクイツキははん治師。よほど桂三枝師に傾倒しているのか、これまで3回落語を聴く機会がありましたが、全て桂三枝師の新作落語でした。「ぼやき酒屋」は他の噺家さんが演じているのを聴いたことがありますから、すでに古典とも言えるのでしょう。

扇橋師は、もぅ完全に独自の世界を歩んでますし、客もその点は承知のうえで噺を聴いている様子が会場の雰囲気からよく分かります。

勝丸さんは場の雰囲気を読んでか、ごく簡単に傘の曲芸を披露して早々と引込み、いよいよトリの小三治師の登場。

前の日に(社)落語協会の会長に就任したこともあって、高座に姿を見せるやいなや「会長!」などの掛け声が飛び交ってはいましたが、ご本人は「これも縁ですかねぇ」みたいなごく淡々とした口調で話し始め、短いマクラの後突然噺に突入。

演目の「厩火事」は、私が小学生の頃に初めて聴いた落語(多分六代目圓生師で)の一つで、小三治師で聴くのは今回が初めてです。おかみさんの揺れ動く複雑な心境とサゲのブラックユーモアが強烈に印象に残る噺です。

30分たっぷり演じて終演。満足して表に出ると、小雨がぱらつく中、末廣亭の前には「深夜寄席」の開場を待つ長い列が出来ていました。

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