「ウエスト・サイド物語」を観る・聴く2012/09/21 22:20

東京国際フォーラムにて
東京国際フォーラムにて posted by (C)Yongyi

サイクルイベントの申し込みのため登録している「スポーツエントリー」からは、時折スポーツイベント以外の催し物情報が配信されて来ます。

大抵はあまり興味のない催し物なのですが、今月初めに送られてきたメールは、ミュージカル「ウエスト・サイド物語」と題され、「映画上映50周年を祝うべく、世界各公演地の最高のオーケストラがレナード・バーンスタインによる感動的なオーケストラ用スコア、そしてスティーブン・ソンドハイムによる曲を生演奏し、最新鋭のスクリーンで新しくリマスターされた映画が上映され、生のオーケストラにオリジナルの音声と台詞が生き返ります。(メール本文より引用)」と書かれ、更にオーケストラの指揮者が作曲者:レナード・バーンスタインの愛弟子で、現在脂が乗りに乗っている佐渡裕氏とあっては、否が応でも興味を掻き立てられ、「これは聴かずにはいられない」と早速チケットを購入して、会場の有楽町・東京国際フォーラムへ出かけました。

東京国際フォーラムへは、昨年夏の東日本の文化復興支援プロジェクト「ARK NOVA - A Tribute to Higashi Nihon~東日本への贈りもの~」以来1年ぶりです。

開場してホールに入ると、ステージ上には数名のオーケストラ団員が最後の調整をやっている最中で、その背後には巨大なスクリーンが設置され、有名なソウル・バスデザインのマンハッタンの鳥瞰図が映し出されていました。また客席中央には、カメラやモニター、ミキサーなど数多くの機器が設置されていました。

東京国際フォーラムにて
東京国際フォーラムにて posted by (C)Yongyi

開演時刻になり、指揮者の佐渡氏が舞台挨拶で登場。映画が公開された1961年は興味深い年であると話し始めました。

話によると、この年は佐渡氏の師匠:レナード・バーンスタインが、アシスタントに小澤征爾氏を伴って来日した年であると共に、佐渡氏自身が生まれた年と説明すると会場からは拍手が。この日の昼間、1回目の公演を行ない成功を収めたとの報告もあり、ますます期待が高まります。

佐渡氏は挨拶を終えて一旦楽屋に戻り、入れ替わりに楽団員が入場してチューニングが終了し場内が暗くなると、再び登場し指揮台に上がり耳にヘッドホンを装着して上映開始です。

実際に音が聴こえるまでは、どんな感じになるのか疑問に感じていましたが、映画とほとんど変わりなく、最初は映画のサウンドトラックがそのまま流れているのか?と勘違いするほど違和感なく自然に聴こえたのには驚きました。

また、どうやって映像とシンクロさせるのかも疑問に思っていましたが、客席中央のモニタや指揮者の譜面台を見ると、それぞれのモニターにスクリーンと同じ映像が映し出されて、映像の上に左から右へ移動する縦線や、時折◯が点滅していることに気が付きました。

休憩時間にスタッフの方に伺うと、モニターの縦線と指揮者のヘッドホンの視覚・聴覚でタイミングを合わせているのだそうです。(ゲームセンターにある太鼓を叩く遊具の様な感じ?)

今日は映像の方に集中していたため、指揮者やオーケストラの奮闘ぶりはあまり見られませんでしたが、2時間半以上映像に合わせて演奏を続けるのは、普通のコンサートより遥かに大変だったろうと推察します。

残念ながら「マンボ」や「マリア」の冒頭では、若干ズレが発生してしまいましたが、それでも即座に修正したのは、流石にプロの面目躍如と言ったところでしょう。

会場いっぱいの来場者もこの作品を知り尽くした人達が多く、楽曲の終わり毎に入れる拍手のタイミングを心得ているのは流石でした。

10時過ぎに無事終演。ひと仕事終えた佐渡氏の感動にむせぶ顔がアップになって、会場の熱気は最高潮に盛り上がり、スタンディングオベーションが起こりましたが、この日は本当に良い体験が出来ました。

次回同様のコンサートが開催される機会があれば、ぜひまた聴きに(観に)来たいと思わずにはいられません。

世界の映画史に残る素晴らしい作品を制作した半世紀前の関係者はもちろん、今回の巨大なプロジェクトに関係された皆様に感謝を申し上げます。

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