上野鈴本演芸場 9月上席4日目(夜の部)2011/09/04 23:10

鈴本演芸場 9月上席夜の部

(9月16日に記す)

上野・鈴本演芸場で9月末まで実施されている「ユニクロコラボTシャツ割引」。

以前の記事にも書きました通り、一度はこのサービスを利用してみようと、番組表を見ながら出掛ける日を考えていましたが、ひと月程前に地元の落語会の方に「(春風亭)柳朝は良いよ」と薦められ、私自身これまで柳朝師の高座を聴いたことが無かったことに加えて、上手い具合に9月上席(夜の部)の主任を柳朝師が勤めていることから、この日鈴本演芸場へ出かけることにしました。(出掛ける数日前、柳朝師のWebサイトの画像(トップのハガキ)を印刷して窓口に提示すると、「Tシャツ割引」よりも更に木戸銭が安くなるお得情報を知り、結局「Tシャツ割引」は利用しませんでした)

割引で浮いた分は、上野松坂屋地下での弁当購入代金に充て、開場の少し前に玄関先に並び程なく入場。日曜の夜の部と言うこともありますが、台風12号が近づいていたためでしょう、お客さんの入りは半分もありませんでしたが、おかげでゆったりとした気分(狭くて古くさい新宿末廣亭も味わい深くて好きなのですが)で開演を待ちました。

夜の部の出演者と演目は下記の通り。

上野鈴本演芸場 9月上席4日目(夜の部)

-開口一番-
 入船亭 ゆう京 「寿限無」

 春風亭 一左 「浮世床(本)」
 翁家 和楽社中 太神楽
 柳家 小せん 「新聞記事」
 春風亭 百栄 不明(寡黙な旦那とお喋りな女房が警官に尋問を受ける噺)
 ぺぺ桜井 ギター漫談
 隅田川 馬石 「堀之内」
 入船亭 扇辰 「目黒のさんま」
-仲入り-
 ロケット団 漫才
 柳亭 左龍 「宮戸川(お花半七)」
 林家 正楽 紙切り
 春風亭 柳朝 「お見立て」

百栄師は2年ぶり2度目ですが、相変わらずなんとも形容しがたい噺家さんです。今日は物忘れについてのマクラと「寡黙な旦那とお喋りな女房が交通違反で警官に尋問を受ける」短い新作落語。女房がひとこと言う度に旦那の形勢が悪化する可笑しな内容でした。

仲入り前は、お初見と思います扇辰師。いかにもこの時期にぴったりの演目で、ちょうどこの日は目黒で恒例の「さんま祭り」が開催されたようですね。

クイツキは久しぶりのロケット団。いつもの四文字熟語に続いてヒーローインタビューのネタ。ただ今日は登場から何となくいつもの元気がなく、キレが今ひとつの感じがしてちょっと残念でした。夏の疲れが出たんでしょうか?

左龍師は短いマクラの後、すぐにお花・半七が締め出されて互いの親に許しを請う場面から。時折思いがけないセリフ(お花の親戚を「肥後の熊本」から「北海道の浜頓別」に言い換える)で笑いを誘ってみたり、細かいところに工夫が感じられました。サゲはオーソドックスに艶っぽい場面で「お時間になりました…」。

トリはお目当て・お初見の柳朝師。私よりも4歳若くて元気そうな噺家さんです。

ヒョロヒョロっとした体躯で、女性の役を演ったら似合いそうだなと思っていたら、演目は吉原が舞台の「お見立て」。田舎者の杢兵衛大尽とずる賢い喜瀬川花魁の間で、右往左往する喜助どんを好演していました。

普段は年配の大看板を目当てに寄席に出掛けるのですが、たまには柳朝師のような若くて活きの良い真打の高座を聴くのも良いもんですね。

これまでお目にかかる機会が少なかった柳朝師ですが、今後に注目したい噺家さんの一人になりました。