調布行き2011/02/19 07:58

飛燕のモニュメントと掩体壕
飛燕のモニュメントと掩体壕 posted by (C)Yongyi

昨秋東小金井で開催された寄席で、主催者から調布市グリーンホールで行われる「第102回調布寄席」のチラシをもらい、落語の名作「文七元結」を鹿芝居(噺家による芝居)で演じるとあったので、ぴあにてチケットを購入し、今日はその「調布寄席」を観に行って来ました。

私の住んでいる所から調布まではバス1本で行けるのですが、運動を兼ねてBROMPTONを駆って出かけることにして、途中府中市多磨町の「くるま屋木内」さんで、20年来お世話になっているメカニックのミツさんに、愛車の12ヶ月点検の日取りを相談をしてから調布へ。

調布飛行場そばの武蔵野の森公園の掩体壕(えんたいごう)や「味の素スタジアム」前にある東京オリンピックのマラソン折り返し点の石碑などを見物しましたが、この辺りも本当に風景が変わりました。

マラソン折り返し地の碑
マラソン折り返し地の碑 posted by (C)Yongyi

私が上京してきて間もない頃は、広々とした原っぱがあって、車の撮影などでよく利用したものですが、今ではその面影を探すことすら難しくなってしまいました。

さて「調布寄席」の会場へ行く前に、どうせ調布へ出かけるのなら今年の正月にテレビ東京の「+++完成!ドリームハウス+++」で紹介された、隣家の森をちゃっかり借景にしている家でも見物しようと、かの地へ足を運んでみました。

当日の放送をご覧になられた方はお分かりかと思いますが、こちらのお宅は一から十まで「隣家の森を愛でること」に力点を置いて設計・施工された家です。

隣家の森
隣家の森 posted by (C)Yongyi

気になっているのは、現在は隣家の森が残されていますが、将来この土地がどうなるかは誰にも分からないことです。

当日の放送やGoogle マップの航空写真を観る限りでは、古い家が残されているだけなので、もしかすると近い将来相続税対策でこの土地が売られて、無機質なマンションや分譲住宅、殺風景な駐車場になるのではないか、そうなった場合この借景の家の窓から眺めはどうなるのだろうと、他人事ながら非常に楽しみに危惧しています。

件のお宅の住人にははた迷惑な話でしょうが、今後も機会を見て再訪し、状況を観察しようと思います。(我ながらヒマな奴だと思っていたら、同じようにこの家を眺めていた多分建築家もしくは設計師と思われる人がいました)

下の写真は、再び駅前に戻って駅西側の踏切脇にあるラーメン屋を撮影したもの。10数年前にこの並びの不動産屋が管理していた駐車場を利用していたので、何度か来たことがあったのですが、まさか今でも当時のまま残っているとは思わず、ビックリしてすかさずカメラに収めました。

萬来軒
萬来軒 posted by (C)Yongyi

鹿芝居を観る2011/02/19 10:31

調布寄席チラシ

「鹿芝居(噺家によるお芝居)」は、毎年この時期国立演芸場で行われるらしいのですが、現在改装中のために調布のほか横浜にぎわい座や八王子などで行われています。

二部構成になっていて、前半は出演者による落語、仲入り(休憩)を挟んで、後半にお芝居となっています。今日の出演者と演題は下記の通り。

第102回調布寄席(調布市グリーンホール小ホール)

【第一部】
 林家 彦丸 「寿限無」
 金原亭 世之介 ものまね(市川團十郎、高見山、中村福助、中尾彬、立川談志)
 古今亭 菊春 「浮世床」(将棋)
 林家 正雀 「紀州」・踊り「五万石」
 蝶花楼 馬楽 「手紙無筆」
 金原亭 馬生 「真田小僧」

−仲入り−

【第二部】鹿芝居 人情噺 文七元結
 左官長兵衛・・・・・・金原亭 馬生
 左官長兵衛女房お兼・・林家 正雀
 左官長兵衛娘お久・・・林家 彦丸
 和泉屋手代文七・・・・金原亭 世之介
 和泉屋清兵衛・・・・・金原亭 菊春
 鳶頭伊兵衛・・・・・・金原亭 馬治
 家主甚八・・・・・・・蝶花楼 馬楽
 若い物藤助・・・・・・金原亭 馬吉
 角海老女将お駒・・・・林家 正雀

第一部は、顔見せ興行的にパッと出てサッと引っ込むものですが、後半のお芝居に向け場内を盛り上げようとする雰囲気が伝わって来ます。

第二部がメインの鹿芝居。馬生師と正雀師の鹿芝居は、去年の春の黒門亭で「世情浮名横櫛・源冶店」のワンシーンを演じられていたのを見たことがありますが、今回の主人公・長兵衛と女房・お兼も、馬生師の近著「落語家の値打ち」の中で自ら「ゴールデンコンビ」と書かれているだけあって、なかなか気合が入っていました。

まぁあとは噺家の余興といいましょうか、学芸会的なお楽しみの部分が多く「人情噺」が「人情喜劇」になっている感もありましたが、「鹿芝居とは何ぞや」の謎が少し解けた感じがしますし、何と言っても今回7・8人掛かりで演じた話を、落語の「文七元結」はたった一人で演じるのですから、落語の表現力の素晴らしさにあらためて驚く次第です。

終演予定時間をかなりオーバーするほどの盛り上がりで、最後に出演者と観客全員で三本締めをして9:00少し前にお開きとなり、座頭の馬生師に見送られて帰宅の途につきました。

下は、当日の物販コーナーで売られていた出演者全員のサイン入り国立演芸場のカレンダー。1000円と手頃だったので記念に購入しました。

鹿芝居出演者のサイン