新宿末廣亭で寄席を観る2009/06/24 00:19

新宿末廣亭

普段何の気なしにネットサーフィンをしている中で、時折訪ねるが寄席のサイトです。

数日前「新宿末廣亭」のサイトを眺めていたところ、今やっている「六月下席」の夜の部の主任(とり)が、当代きっての名人「柳家小三治」師匠である事を知り、これは何をさておいても観に行かねばならないという使命感に駆られ、週末は込むだろうから平日に行こうと今日仕事を定時で切り上げて、飛ぶようにして出かけてきました。

6時少し前に新宿末廣亭に着き、木戸銭を払う時に「座れますか?」と尋ねたところ、平日にも関わらずやはり主任を目当てのお客さんで1階は既に満席。2階の座敷席に案内をされましたが、幸い前から2列目の出演者を真正面に見られる場所がまだ空いていたのはラッキーでした。

一階席はたぶん昼の席から居続けている比較的時間に余裕のある人たちと思われますが、その他は仕事帰りのサラリーマンや、昨今の落語ブーム(?)かドキュメンタリー映画「小三治」の影響を受けたと思われますが、若いOLさんの姿が多かったのが印象的でした。

今夜の出演者はだいぶ入れ替わりがあったようで、当代「柳家小さん」師匠に代わり当代「林家木久扇」師匠。マクラで軽く「笑点」ネタに触れて、いつもの創作落語「彦六伝」か「昭和芸能史」をやるかと思っていたら、古典落語の「道具屋」。木久扇師匠の古典落語を聞くのは実はこれが初めてですが、さすがと言っては何ですが「木久ちゃん」には与太郎噺がよく似合います。

その後「桂南喬」師匠の「富士まいり」、仲入り後は九代目「入船亭扇橋」師匠の独特な世界で「茄子娘」と続き、いよいよ二上りかっこの出囃子が流れてきて、客席の大きな拍手と「待ってました!」の掛け声がかかって小三治師匠が登場。とたんに場内の雰囲気がガラッと変わるのが良くわかりました。

小三治師匠のマクラが秀逸なのは有名な話ですが、この日も前出の扇橋師匠の高座を早速ネタにして客席の笑いをとったかと思うと、いきなり何の前触れもなく落語の世界へ。今夜の演目はおなじみの「あくび指南」。

「夏のあくび」を指南しているお師匠さんと、習いに来た男の言葉遣いや動作の対比、特に男がせわしく、しかしいかにも美味そうに煙草を何本も吸ってしまう場面は思い出しても笑ってしまいます。

やはり落語はナマで体験するのが良いですね。少し前に何かの番組である噺家さん(林家彦いち師匠だったかな?)が、寄席と言うのはチームプレイで、主任さんのために他の芸人さんは場を盛り上げて最後にバトンを渡すんだと話していたのを思い出して、なるほどと感じた晩でした。

しかも小三治師匠のような文句の付けようのない噺家さんが主任を務めるとなれば、木戸銭2700円も決して高くはありません。次回からは友の会に入会してまた足を運んでみようかな?