北京スナップ写真(最終回) ― 2008/02/03 17:48
トップの写真は北京到着の翌朝、天壇公園へ出かける前に立ち寄った「潘家園旧貨市場」、いわゆる骨董マーケットで撮影したものです。
「潘家園」へ行くのに、まず北京駅を見て、そこからタクシーに乗ろうとホテルから徒歩で出かけました。
旧正月(春節)の帰省ラッシュ(春運)には半月ほど早いと思うのですが、駅前の切符売り場には長蛇の列が出来ていて、切符を手に入れるまでには果たしてどれくらい待たされることか、人ごとながらちょっと気になりました。

駅前のタクシー乗り場も少々混雑気味で、タクシーは次々と来るのですが、運転手が車から降りて乗り場のお客さんにどこまで行くかを尋ねていました。どうやらなるべく長距離のお客さんを選んで乗せている様子でした。
そのうち一人の運転手が我々にどこへ行くか尋ねてきたので、私が「割合近いよ、潘家園まで」と言うと、「潘家園だと?」といかにも近すぎて不満そうな口調で乗車拒否されてしまいましたので、次からはまずタクシーに無理矢理乗り込んでから目的地を告げるようにしました。
ようやく捕まえた運転手も、あまりに近距離だったのが不足だったのか、乗車早々「疲れているか?」などと尋ねてくるので、わざと意味が分からないフリをして目的地まで走らせることにしました。

さて、ようやくたどり着いた「潘家園旧貨市場」は、「瑠璃厰」や去年訪ねた上海の「東台路古玩市場」のように、通りの両側に骨董商店が軒を連ねている所かと勝手に想像していましたが、広い敷地と巨大な屋根の下に、小さく仕切られた店がひしめき合っていて、周辺にもフリーマーケットのように地面にシートを広げているお店があり、どの店もどこから持ってきたのか出所の怪しい商品が無数に陳列されていました。
父にボケ防止のため胡桃で出来た「健身球」でも買ってあげようかと尋ねたら、「いらない」と遠慮するので、市場を一回り眺めて次の目的地「天壇公園」へタクシーで向かいました。
車内で運転手が「骨董品何か買ったか?」と聞くので「何も買わない」と言うと、運転手曰く「都是假的(みんなニセモノだ)」と言うのには笑ってしまいました。

2005年秋の北京短期留学の最中、地元の北京師範大学に本科生として勉強中の知人と一緒に出かけた「老舎茶館」が気に入ってしまい、手っ取り早く北京のエンターテイメントを楽しむには絶好の場所で、ぜひ両親を連れて行ってあげたいと思い、中国語の勉強でお世話になっているZ老師が国慶節で帰省した際に、座席の予約をお願いしました。
当日の昼間、現地に立ち寄ってチケットを入手し、夜あらためて「茶館」へ出かけました。座席は前から3列目の真ん中。絶好の場所かと思いきや、階段状になっている客席の一番下の段で、前列と同じ高さなので、前の人の頭越しに見る形になったのはちょっと気になりましたが、まぁステージまでの距離は近かったので良しとしましょう。

席につくと、早速お茶と小吃(お菓子)が配られますが、お茶はしょっちゅうお湯を足しに来て、調子に乗って飲んでいるとお茶で腹がいっぱいになってしまいます。
お菓子の中で、糖葫芦(写真中央)はこれまで町中で大勢の人が食べているのを見るたびに、どれだけおいしい食べ物なのだろうと、ずっと気になっていましたが、露天で売られているのはなかなか食べる勇気がなくて今日にまで至っていました。期待して早速食べてみましたが…。まぁ一度食べればもう良いかなぁと言うことだけ書いておきましょう。

さて、この日演目は次の通り。
・民乐演奏(民族楽器による演奏)
・京剧彩唱(京劇のハイライト)
・群口快板(ご参考サイト)
・舞蹈(民族舞踊)
・变脸(一瞬にしてお面が変わる芸)
・杂技(雑技)
・魔术(マジック)
・中国功夫(カンフー)
・手影戏(影絵)
観客に大受けだったのは手影戏と变脸で、特に後者については、観客席の間近で演じてくれたので、目を皿のようにしてお面が変わる様子を観察しましたが、やはり仕掛けはさっぱり分かりませんでした。
次から次へと演し物が登場し、一時間半はあっという間に過ぎてしまいましたが、両親も十分楽しんでもらったようで、終了後は地下鉄に乗ってホテルへ戻りました。
ーー
今回の北京旅行は3泊4日の行程(実質2日と数時間)の慌ただしいもので、北京市内それもほとんど地下鉄2号線の内側をウロウロしていたので、両親には大したところを案内してあげられませんでしたが、「これくらいがちょうど良い」と言ってくれたのは助かりました。
このところの食品安全問題や夏にはオリンピック開催など、いやでも中国・北京のことが目や耳に入って来ます。近くて遠い隣人はこれからどのように変化してゆくのでしょうか?オリンピックが終わってほとぼりが冷めた頃にでも、また現地を訪ねてみたいと思う今日この頃です。
連日の「餃子」報道に思う ― 2008/02/07 22:23

このところマスコミは「餃子」の件で明け暮れていますが、どうもワイドショウ的といいますか、やれ「今日は農薬○○が検出された」とか「中国製食材の恐怖」と言った感じのセンセーショナルな話題ばかりで、これを機会に日本の食のあり方を見直して「食糧自給率を高めよう」とか「地産地消」を積極的に検討するような論調はほとんど聞こえて来ません。
あげくの果てに今日のニュースでは、「冷凍餃子を避けて自分で餃子を包む家庭が増えたおかげで、餃子の皮が品薄」とか「餃子を包む機械の生産が追いつかない」と言う、どうでもいいニュースを引き合いに出してまで、餃子の話題を取り上げているのはどうかと思います。
「ギョーザ手作り器」の注文殺到=野菜用洗剤も売れ筋に−中毒事件で
2月7日15時0分配信 時事通信
中国製冷凍ギョーザの中毒事件を受け、自宅でギョーザを手作りする器具の売れ行きが好調だ。これに合わせ、ギョーザの材料も販売が増加。野菜専用の洗剤も消費者の関心を集めており、食品の安全・安心に手間と費用を惜しまない姿勢が鮮明になりつつある。
確かに実際食べた人が体調を崩していることから、国民の健康とか食の安全のために報道しているとも言えますが、では一方で国防とか日米安保の観点からも大問題になりかねない「沖縄ジュゴン訴訟」のこともぜひ知りたい、報道して欲しいと思うのですが、なぜか中央のマスコミはこの件について取り上げないですね。
(この訴訟については、先週土曜日のTBSラジオ「土曜ワイドラジオTOKYO 永六輔その新世界」を偶然聞いて初めて知ったのですが、その後も今に至るまでテレビ・ラジオでは一度も見聞きした事がありません)
やはりマスコミは叩きやすいところを叩くと言うか、たまたま時期が重なったこともあるでしょうが、国民の目を餃子に向けよう向けようとしているような気がしてなりません。
一方の国民についても、マスコミに乗せられやすいと言いますか、これだけ連日「餃子」の話題を聞かされて、どうせ普段大して餃子など食べてもいないくせに、自分で皮を買って包んでまで食っていると言うのは、かつての「納豆ダイエット」の騒動を連想せずにはいられません。
カラヤン・イヤー ― 2008/02/09 22:01

LUDWIG VAN BEETHOVEN
Symphonie No. 9
(Aufnahme/Recording: 1962)
今日は予定していた中国語の勉強が休講になったので、昼過ぎからのんびりとラジオ「久米宏 ラジオなんですけど」を聞いていました。
今日の放送は『クラシック音楽は好きですか?』をテーマに、リスナーの意見・メッセージや、関係者のインタビューを紹介していました。
昨今は漫画の影響もあってか(私は未だにその漫画を見た事はないのですが)クラシック音楽が静かな広がりを見せているようで、このBlogにも「ラフマニノフ」や「ピアノ協奏曲第2番」の検索ワードで、間違って訪ねてこられる方が多いのにはびっくりします。(訪ねてこられる方には期待はずれの記事で、いつも申し訳ないと思っています)
ところで、今年2008年は20世紀を代表する指揮者の1人である「ヘルベルト・フォン・カラヤン」の生誕100周年にあたり、レコード会社各社では様々な記念CDを企画・販売していますが、放送の中ではユニバーサルミュージックが企画・販売している「高品位ハード・ガラス製音楽CD」によるベートーヴェン:交響曲第9番の話題になり、実際に数分間再生して紹介していました。
聞いているラジオは、車載ラジオ用にと購入した何の変哲もない安いトランジスタラジオですが、スピーカーから流れ出てくる音はものすごくクリアで、これまで様々な第9番のCDを聞いてきましたが、第1楽章冒頭の第2バイオリンの弦の一音一音がはっきり聞こえたのはこれが初めてで、さすが20万円だけのことはあるなぁと妙に感心した次第です。(宣伝文句をすぐ信じてしまいます)
放送終了後、たまたま同じ音源のCDを持っていたので、早速部屋のCDプレーヤで再生してみましたが、放送で聞こえて来た音は再現出来ませんでした。もっとも私の安いCDプレーヤと、放送局の装置とでは全然比較になりません。その点は大いに割り引いて考えないといけませんがね。
この20万円のCD、既に80セットが売れたのだとか。世の中お金が余っている人はいるもんですな。
隅田川七福神めぐり ― 2008/02/11 18:18
この3連休、昨日・一昨日はあまりの寒さのため、食糧の買い出し以外は外出する気にならず、さりとて日がな一日部屋でゴロゴロしていては体が鈍ってしまうばかりなので、春のヒルクライムレースに向けて、両日昼に1時間ローラー台を回して今年初めてのトレーニングをしました。
連休最終日の今日は、夕べの天気予報でお出かけ日和と報じていたので、ちょうど旧正月の時期と言う事もあり、去年の暮れと今年始めにTBSのストリーム・コラムの花道で紹介されて気になっていた「隅田川七福神めぐり」を実行してみようと、ネットで情報を集めて、今朝早くBROMPTONを担いで今年初めてのポタリング。
いつもの通り中央線で新宿駅で降りて、新宿通りから半蔵門、千鳥が淵を通って靖国通りに出て、秋葉原から上野方面に曲がり浅草へ。
浅草へは何度か出かけた事はありますが、吾妻橋を渡って対岸の墨田区へ行ったのは、元号が変わって間もない頃、仕事で建設中の墨田区庁舎に出かけた時以来ではないかと思います。
吾妻橋を渡って、例の○ンコビルのすぐ前にある観光案内所で、「隅田川七福神めぐり」のパンフレットをもらい、宝船は海から上がってやって来るとの言い伝えに従って、一番川下の三囲神社からスタートしました。
ほとんどの神社・寺は墨堤通り沿いにあるのですが、向島百花園と最後の「多聞寺」は通りから細い路地に入るので、ちょっと迷ってしまいました。初めて訪問する人はスタート前にパンフレットをもらっておく事をぜひお進めします。地図だけでなくそれぞれの神社・寺の由来や七福神についての一口メモが書いてあります。
寄り道をしながら1時間半ほどかけて、最も川上の「多聞寺」まで訪問して今年一年の健康と無事を祈年しましたが、なんで七福神なのに6カ所しかないのだろうと不思議に思い、よくよくパンフレットを読んだら、最初の三囲神社に2つの神様を祭ってある事を最後になって知り、今来た道を逆走しスタート地点に戻るハメになりました。(まぁ事前の下調べが足りなかったり、パンフレットをよく読んでいない私が悪いわけで仕方ないのですが。早とちりの癖はなかなか直りません)

おまけに参拝の途中どこかで手袋の片方を無くしてしまいました。こんなことで今日の七福神巡り、果たしてご利益があるのでしょうか?ちょっと不安になってしまいました。
さて写真は向島百花園の紅梅。昨日から梅まつりだそうですが、園内の梅はようやく何輪かがほころび始めた状態です。
西新宿行き ― 2008/02/16 18:52
今日は午前中久しぶりに中国語の勉強。Z老師から借りていた中国映画《覇王別姫》の感想などを中国語で話す練習をしました。
午後新宿西口へ出かける用事があったので、ついでに東京マラソンのスタート地点の様子をカメラに納めるため都庁周辺を一回りしてみました。

都庁の正門前には観客席やら中継用カメラのクレーンなどが急ピッチで組み立てられていましたが、工事区画と歩道が厳密に分離されているわけでもなく、作業員やフォールリフトがガンガン走り回っていたりしている傍を、下見に来たランナーや観光客が歩いているのは、端から見ていて危なっかしく感じました。
この他目についたのは、大量の仮設トイレですね。昨年はなんでもトイレが不足して苦情が寄せられたそうで、その反省もあってか都庁周辺の道路や駐車場には「これでもかっ」と言うくらいトイレが設置してありました。
去年の東京マラソンは、とんでもない天候の下での開催でしたが、明日は絶好のマラソン日和、3万人のランナーが集うスタート地点は格好の撮影ポイント・被写体の宝庫となるでしょう。
都庁から新宿駅に戻る途中、正面に異様な形の建設中の高層ビルが目に入ります。帰宅後ネットで調べてみると「モード学園コクーンタワー」と言う建物とのことですが、私にはコクーン(繭)と言うより、北京オリンピックのメインスタジアム「鳥の巣」を立てた様に見えてしまいます。
多摩湖サイクリング ― 2008/02/17 20:51
このところ例年になく寒い毎日が続いていまして、午前中のトレーニングは、東京マラソンのスタートの様子をTVで見たあと、ラジオでも聞きながら家でのんびりローラー台を回そうと思っていましたが、マラソンの中継を見ているうちに「こりゃ外に出て練習しなきゃ申し訳ない(誰に対してだかよく分かりませんが)」と思い、急いで支度をして4ヶ月ぶりに多摩湖周遊路へ出かけました。
久しぶりのサイクリングコースは、先週・先々週の雪が日陰に少し残っていたり、アスファルトの修復工事箇所があったりと、ロードレーサーの細いタイヤでは走りづらい状態になっていましたが、雪はそのうち溶けてなくなるでしょうし、修復工事の場所が昨年10月にパンクとフェンス激突を起こした所だったので、路面が良くなれば前回のような危険もなくなるでしょう。もうちょっとの辛抱と言ったところです。
写真はいつもの「多摩湖橋」の上から。右手奥には富士山がわずかに見えました。
春一番 ― 2008/02/23 18:57
私の記憶では春一番が吹く日はたいてい平日で、日中は事務所にいることもあり、帰宅後の夜のニュースを見て「あぁ今日春一番が吹いたのか」と思う程度でしたが、今日は昼過ぎ都心へ出かけ、帰りに中央線の電車から外の様子を見ていて、強風の中見る見るうちに茶色い風景に変わって来るのを見た時は、ちょっと恐怖心が湧いてしまいました。(子供の頃、冬の赤城おろしで毎日砂埃が舞っていたのを思い出しました)
帰宅後顔を拭いたり鼻や耳をほじったら、単に砂だけではないようですね。煤のような黒い物質も混じっているようで、ちり紙が真っ黒になってしまいました。
写真は14:50頃吉祥寺駅のホームから都心方面を見た様子。この直後中央線の架線に飛来物が絡まったらしく、一時運転がストップしてしまいました。
32年前 ― 2008/02/29 21:36
今日は4年に1度のうるう日。
直前(4年前)の2月29日についての記憶は、既に忘却の彼方にありますが、32年前(1976年)の事は、いまだに良く覚えています。
前日の28日は土曜日で、学校から帰宅すると、草津町で写真屋を営む叔父が訪ねて来ていて、これから仕事で東京のプロカメラマンショップ(銀一)で働く兄貴のところへ出かけるというので、便乗して連れて行ってもらいました。(くっついて行く方も行く方ですが、母や叔父もよくOKを出してくれたものだと思います)
これが生まれて初めての東京訪問となり、帰宅してから小学校の文集に東京へのあこがれを綴った文章を書くほど強い印象を残しました。
写真は32年前の今日。当時乗り物の中でも飛行機が好きで、羽田国際空港へ連れて行ってもらった時のスナップ。初めて見る本物の飛行機を前に呆然と立ち尽くす私です。左端は全日空のトライスター、その向こうは日本航空のジャンボが写っています。
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