上野・鈴本演芸場 12月上席7日目 夜の部2011/12/07 23:10

不忍寄席師走賑(すずもとのせきしわすのにぎわい)

先日どなたかのブログだかツイッターで、鈴本演芸場の12月上席の主任(トリ)の五街道雲助師が、連日ネタ出しで暮れ(冬)にちなんだ落語を上演していることを知り、鈴本演芸場のサイトを詳しく見たら割引券(上の絵)もあってお得に入場できるとのことで、雲助師がトリを務める興行を見たことがなかったこともあり、「掛取万歳」を演じるこの日、仕事帰り出かけてきました。

「掛取万歳」は陽気で賑やか、屈託の無い如何にも落語らしい噺の一つですが、狂歌・喧嘩はともかく、義太夫・芝居・三河万歳と様々な芸能の素養を要する噺で、噺家さんの力量が大いに試される難しい演目だと思います。

後半を省略した「掛取」は、過去に金馬師の実演やラジオ放送で市馬師の口演を聴いたことがあるのですが、フルバージョンは以前テレビ「落語研究会」でさん喬師、そしてちょうど1年前に上映された「シネマ落語」で6代目圓生師の映像を観ただけで、実演に接したことがなかったので、この日の雲助師の口演は非常に楽しみでした。

上野・鈴本演芸場 12月上席7日目 夜の部

 (途中から入場)
 入船亭 扇辰 「紋三郎稲荷」
-仲入り-
 柳家 紫文 三味線漫談「長谷川平蔵市中見廻り日記」
 柳家 はん治 「ぼやき酒屋」(作:桂三枝)
 林家 二楽 紙切り(桃太郎・桜・なでしこジャパン)
 五街道 雲助 「掛取万歳」(狂歌・喧嘩・義太夫・芝居・三河万歳)

高座に登場した雲助師、お馴染みの挨拶から始まって、5円の工面の話から本筋へ。

聴いていて良かったのは、喧嘩の場面でのやり取り。威勢のいい啖呵は、さすが下町生まれの雲助師ならでは。そして魚屋が帰った後に「春には少し入れなきゃ」と言うセリフに、夫婦の優しい人柄が出て印象に残りました。

続く義太夫・芝居・三河万歳も芸達者なところを魅せて、30分を優に超える大熱演!

終演後座布団から降りた雲助師、流石に憔悴しきった感じで、目が少し潤んでいましたが、本当に期待通りの口演で大満足でした。どうやら毎年暮れの恒例行事となっているらしいので、来年またこのような興行があれば是非出掛けてみたいと思います。

最後に、こちらのページ(雲助ぶつくさ)は、演じる側の苦心談を読むことが出来る、なかなか面白い読み物です。

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