菊之丞 柳朝 二人会2011/11/26 11:03

菊之丞・柳朝二人会
菊之丞・柳朝二人会 posted by (C)Yongyi

今月を振り返ってみますと、結構落語を聴いたひと月でした。

締めくくりは若手真打の注目株で、個人的にお気に入りの古今亭菊之丞師と、9月の鈴本演芸場以来注目し始めた春風亭柳朝師の二人会に出かけてきました。

会場は、学問の神様・湯島天神の掲題にある参集殿と呼ばれる集会施設で、私が到着した6時前には既に多くのお客様が詰めかけていて、最終的には座布団が足りず、畳に直接に座るお客様もいらっしゃるほどの盛況ぶりでした。

この日の出演者と演目は下記の通り。

第12回 菊之丞 柳朝 二人会 (於:湯島天神 参集殿)

-開口一番-
 三遊亭 ございます 「子ほめ」

 春風亭 柳朝 「悋気の独楽」
 古今亭 菊之丞 「寝床」
-仲入り-
 古今亭 菊之丞 「幇間腹」
 春風亭 柳朝 「芝浜」

トップバッターは前座の三遊亭ございますさん。先日のファミリー落語会に出演された三遊亭ありがとうさんの弟弟子。共に自己紹介をしただけで笑いが取れる噺家さんです。

続いての登場の柳朝師。マクラではやはりこのところ落語界・芸能界の話題になっている、立川談志家元死去に伴う思い出話。 演目は「悋気の独楽」。柳朝師は童顔なので小僧さんの役がハマっていました。

続く菊之丞師も談志家元の思い出話をチョット紹介。このような話を聞いていますと、立川流を立ち上げて落語協会を飛び出した当時を知らない若手の噺家さんにも、かなり影響を与えていたことが分かります。

演目の「寝床」は、先週の新宿末廣亭で柳家喬太郎師による「寝床」を聴いたばかりで、どうしても比較してしまいますが、思いっきり派手だった喬太郎師に対して、菊之丞師は至ってオーソドックスなもの。

ただ仲入り後に話されていましたが、この噺は橘家圓蔵師に教わったとのことで、時折挟むクスグリなどはなるほどと感じました。

仲入り後は、再び菊之丞師。マクラは以前も聞いたことのある、池袋演芸場でお客様と1:1で落語をした話から、幇間の話になって「幇間腹」。

菊之丞師の「幇間腹」は、以前もどこかで聴いたことがあったと思って、自分のネタ帳を開いてみたのですが、どうやらこれが初めてのようです。もしかしたらネット上の音声サイトか動画サイトを閲覧した時の記憶と混同しているのかも知れませんが、菊之丞師の幇間は、いつ見てもハマり役です。

トリは柳朝師。今年2度目に聴く「芝浜」。やはりこの季節しみじみ聴きたい噺ですな。

柳朝師の高座に接するのは2回目で、前回は「お見立て」だったので気が付かなかったのですが、「芝浜」の主人公:勝五郎のべらんめぇ口調がちょっとわざとらしく感じましたが、まだまだ若いですから今後に期待しましょう。

後半の大晦日における穏やかな家庭の風景や、続くおかみさんが夫に財布の件を打ち明け、許しを乞う辺りのやり取りは聴きモノでした。

下の写真は、今回の二人会に合わせて、先日Amazonで購入した菊之丞師の著書「こういう了見」。

前座時代の苦闘や、一人真打昇進で40日間のお披露目興行を務める辺りが赤裸々に書かれていて、一気に読ませる作品です。終演後に著者に直接サインをして頂きました。

こういう了見
こういう了見 posted by (C)Yongyi